ニュース

特集

【解説】ワクチン接種率アップへ…行政の取り組み 若者・子どもの現状は?〈新型コロナ〉

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT


 新型コロナのワクチン接種率について考えます。

 岡山・香川の年代別の3回目接種率はいずれも65歳以上の高齢者は80%代後半と高くなっていますが、その他は年代が下がるごとに接種率も下がっています。

 岡山市ではモデルナ製のワクチン約5万1000回分が、高松市は約2万回分が使用期限切れで廃棄される見通しとなるなど、3回目の接種は想定ほど進んでいません。

 こうした中、3回目のワクチン接種率を上げようと、行政はさまざまな取り組みを行っています。

3回目接種促進へ 「予約なし」の集団接種会場を設置

 3回目接種を促進するためゴールデンウィーク期間に岡山県が設置したのは「予約なし」でも受けられる集団接種会場です。

 県によると、1日100人ほどの受け入れを想定していましたが、最も多い日には170人ほどが訪れるなど想定を上回る利用がありました。

 期間中に利用した人を年代別で見ると、10代から50代までの人が9割以上を占めました。

(岡山県ワクチン対策室/矢吹真一 室長)
「忙しいのでなかなか事前に予定が決まらないんで、そういったのに役立ったとかですね、予約自体も面倒くさいので良かったとかそういった意見がございました」

 この結果を受けて、岡山県は「予約なし」での3回目のワクチン接種を期間を延長して5月いっぱいまで受け付けることにしました。

「3回目接種を受けていない」理由は?

 Park KSBアプリでワクチンの3回目接種を受けていないという人に理由を聞いてみたところ、「副反応が怖い」が約3割、次いで「効果に疑問」という声が多くなりました。

 また、「その他」の中には「新型コロナに感染したから」「2回目からの間隔が開いていない」といった理由がありました。

 若い世代で接種が進まない理由について、20代の人たちからは――。

「忙しくて仕事が休めない」(岡山市 23歳男性)
「高齢者より重症化のリスクが低いと聞いているため」(高松市 24歳女性)
「上の世代に比べて一般的に副反応が強い」(高松市 25歳女性)

 などの意見が寄せられました。

 そんな中、岡山県は若者の接種を進めようとファジアーノと連携した取り組みを行っています。対象期間に3回目のワクチン接種をした人は、ホーム戦で選手のサイン入りグッズなどが当たる抽選会に参加できるというものです。

 自治体も何とかワクチン接種を進めようと取り組んでいる中、特に伸びが鈍いのが、2カ月ほど前に1回目が始まった5歳から11歳の子どもたちです。

副反応・予防効果は?子どものワクチン接種に悩む保護者たち

(青山こどもクリニック/金谷誠久 医師)
「開始したときにはほぼ埋まっていた。接種意欲のある方で、時間の都合をつけてでもという方は早めにされたんだと思います」

 岡山市の「青山こどもクリニック」では週に2日、夕方の時間帯に子どもへのワクチン接種を行っています。当初は予約で埋まっていましたが徐々に空きが出てきているそうです。

 子どもへの接種を巡っては保護者たちの中でも意見が分かれています。

(保護者は―)
【接種を検討中】
「近くの小児科とかが全部予約がいっぱいみたいな感じで、受けておいたほうが重症化リスクはないのかなと」

【悩んでいる】
「半々ですね。不安もあるし。(Q.どういった不安がある?)副反応。女の子より男の子の方が出やすいっていうのを聞いたことがあって、実際男の子なので」

【接種させたくない】
「あとあと病気になったりとか、それが現実にわからない状態なので。医療の方でも研究中ですが、それが心配なので」

 岡山・香川で1回目のワクチン接種を受けた5歳から11歳は、開始から2カ月で14%ほど。
 岡山県は「接種が進んでいるとは言えない」としています。

(青山こどもクリニック/金谷誠久 医師)
「お母さんとかお父さんが実際に注射して痛くて手が上がらなかったとか、翌日も熱が出て仕事に行けなかったとか、そういうなこともあるから、子どもにはそういうことはさせたくないというようなことは言われますね。大人に接種する量に比べて子どもに接種する量は少ないですから、副反応が出にくいというのはあると思う。それはお伝えしています」

 アメリカの医学雑誌によると、5歳から11歳の子どもがファイザー製のワクチンを2回接種した後の副反応は、倦怠感が最も多く39%、頭痛が28%、38℃以上の発熱は7%でした。(出典:ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)

 また、2回接種した場合、オミクロン株であれば入院リスクを3割ほど減らせるとしています。(出典:日本小児科学会)

(青山こどもクリニック/金谷誠久 医師)
「子どもさんたちの中にもベースに病気がある方がいますよね。そういう人は重症化する(リスクがある)ので、例えば兄弟にそんな子どもがいるとか、お友達の中にそんな子がいるとかだったら、そういった子どもたちを守るためにもワクチン接種は必要かなと思いますね。重症化するリスクがある方は受けると思うんですけど、それ以外の人もしておいてあげた方が。優しさじゃないですかね」

子どもはワクチン接種すべき?すべきでない?

 「子どもへのワクチン接種」についてPark KSBアプリでのアンケートでは「接種すべき」の37.8%が、「すべきでない」の12.7%を上回ったものの、最も多かったのが「どちらとも言えない」という答えの49.5%でした。

関連ニュース

全国ニュース(ANN NEWS)

新着ニュース