7月、岡山市の自動車学校でAI技術を使って1人で運転の練習をする教習が始まりました。指導員が同乗しない、AIを使った教習とは?
(運転の様子)
AI「前方に車がいない場合は(時速)30キロ出していきます」
記者「車なし。30キロ出ました。大丈夫だったでしょうか? 『速度が速い』。速すぎましたか失礼しました」
福岡県で自動車学校を運営する企業とITベンチャー企業が作った「AI教習所」の「AI教習車」です。
「AI教習所」は、岡山市中区にある「岡山ももたろう自動車学校」のコースを使って、「AI教習車」による教習を行っています。
「AI教習車」は、車内に搭載したカメラとAI技術を使って車両の位置、ドライバーの確認行動などをリアルタイムで把握し、指導員とほぼ同じ精度で評価することが可能ということです。運転の振り返りもすぐに行うことができます。
Q.発進前の確認が不十分とは?
(AI教習所岡山校/梶原智仁さん)
「この顔の向きとかをカメラで判断して、おそらくミラーは見ていた感じ。ただ、目視までしていたかは怪しい角度になっていた」
さらに、交差点の信号が「赤」のときに進入するなど危険な場合は、自動運転技術を使って停車します。
このAI教習車が開発されたのには、将来的な指導員の「人手不足」があるといいます。
「全日本指定自動車教習所協会連合会」によりますと、2033年には少子化で生徒が約15%減るものの、指導員は最大35%減少するとしていて指導員不足が懸念されています。
(AI教習車を開発 ミナミホールディングス/江上喜朗 社長)
「S字クランクを反復して練習することやバックのやり方を練習して習得するのはAIでも十分教えられる。AIができる部分と人間ができる部分の役割を分担させて、人不足の中で生産性をあげる面で重要」
ただ現状では「AI教習車」で教習しての仮免許の取得は指定教習所ではできず、運転免許試験場に行く必要があります。また、「AI教習車」は公道を走れないため、路上の教習を受けたい時は他の自動車学校に通う必要があります。
(AI教習車を開発 ミナミホールディングス/江上喜朗 社長)
「今回の岡山につくった教習所は未指定校と呼ばれる“一発試験”を受けるための教習所。最終的には指定校の教習所でも使えるようにしていき日本の運転教育にデジタルを投入していき、人間とAIが役割分担して教えていく新しい形を作りたい」
福岡県の教習所ではペーパードライバーへの訓練などに「AI教習車」を活用しているということです。