新型コロナ感染者の全数把握の形が見直されて1週間が経ちました。感染拡大時には業務がひっ迫していた医療機関や保健所などが、見直しによってどう変わったかを取材しました。
高松市保健所では、他部署からの応援も含めピーク時には約150人体制で新型コロナの対応にあたっていました。
そのうち70人以上が新規感染者の症状や行動歴などの聞き取りにあたっていて、ピーク時には1日あたり1000人以上から聞き取りを行っていました。職員の中には、未明まで業務を行っていた人も少なくなかったそうです。
今回の見直しによって、保健所に提出される発生届はこれまでの2割ほどまで減りました。人員は60人ほどに縮小しましたが、重症化リスクの高い人にはより丁寧な対応が取れる体制が維持できているということです。
今回の見直しについて「高松市立みんなの病院」の岸本伸人副院長は、「発生届の事務作業が簡略化され、また数も減ったことで医師の負担も大きく減った」と一定の評価をしましたが、不安な点もあると言います。
(高松市立みんなの病院/岸本伸人 副院長)
「(発生届の対象外の人は)個人でWEB登録するときに、おそらくそれをしない人もいるんじゃないかと思います。本人の自主性に任せられますので、ちゃんと隔離をして感染対策がちゃんとできているかどうか、そういうことには不安が残ると思います」
また、感染の再拡大に備えて今後も改善は必要だと言います。
(高松市立みんなの病院/岸本伸人 副院長)
「従来のやり方だと、たしかに数が増えた場合はすごいマンパワーを必要としますので、ある程度簡略化していくことは必要じゃないかなと思います。いまのやり方がベストかどうかはわからないが、これを続けながら試行錯誤して改善点があれば変える」