J1昇格を懸け、6年ぶりのプレーオフに挑むファジアーノ岡山。そのファジアーノを2020年に引退し、現在は岡山市の企業で働く元選手がいます。
岡山市のアパレル会社「アン・ドゥー」。ファジアーノのスポンサーでもあるこの会社で椋原健太さんは、2021年から営業として働いています。
会社との出会いは、選手時代にクラブが毎年行っていたスポンサー訪問でした。
(アン・ドゥー/椋原健太さん)
「年齢を重ねるにつれて、スポンサー訪問に行ったときその職業について興味を持つようになってきた自分がいて、引退した後はサッカー以外のことをチャレンジしたいと思っていまして。『アン・ドゥー』に来た時にとても暖かい素材のデニムがあって、すごいなあと思ったのを今でも鮮明に覚えていて。(入社後は)すべてが手探りで、アルバイト経験も無いですし」
椋原さんは現役時代、守備が売りのサイドバックとしてJ1のFC東京やセレッソ大阪などで活躍した後、2018年にファジアーノに加入しました。
2020年に、ファジアーノとの契約が満了となると31歳の若さで引退を決断。引退後は、ファジアーノに来るまで縁もゆかりも無かった岡山で暮らすことを選びました。
(アン・ドゥー/椋原健太さん)
「家族含めて本当に岡山の気候や環境がすごく合ってるなと。いざ辞めるときに新型コロナのちょうど1年目ということもあって、実家の東京に戻るというのも……。こういうのはタイミングがすべてだと思うので『岡山で住むか』と」
現在は仕事の傍ら、特命広報大使としてファジアーノのPR活動にも携わる椋原さん。サッカーとも「いい距離感」で関われている今の生活がとても充実しているそうです。
(アン・ドゥー/椋原健太さん)
「引退して思うのは……『引退して良かったなあ』と思います(笑)。ただ、プレーオフに今まさに出られているので、そこは少しいいなと思います。僕もその舞台を目指してファジアーノ岡山に来ましたし、そこにいまチャレンジできている選手たちを見ると誇らしくうらやましい。このチャンスを絶対に逃してはいけないなと思っていますし、その熱を(街から)すごい感じています」