悲願の昇格へ、「うねり」を起こします。J1昇格へ勢いに乗るファジアーノ岡山、チームの成績に比例してサポーターの期待も高まる中、クラブ内でも昇格を見据えた準備が始まっています。
シーズンも終盤に突入したサッカーJ2リーグ。ファジアーノは現在3位と、かつてない勢いでJ1昇格へ突き進んでいます!
現在3位 J1見据えた動きも
(ゴールキーパー/35 堀田大暉 選手)
「勝ちを積み重ねていくことで、自分たちのサッカーに自信を持てている」
J2では1位と2位がJ1へ自動昇格、3位から6位がJ1昇格プレーオフと呼ばれるトーナメントに臨みます。プレーオフでは、勝ち上がった1チームがJ1・16位のチームと対戦し、勝利すれば、J1に昇格できます。
3位のファジアーノは、目指す自動昇格圏の2位まで勝ち点差5、手の届くところまで差を詰めています。
(打合せの様子)
「今(上限が)1万6500じゃないですか、それってやっぱりここもある程度入れる前提なんですけど、果たしてJ1である程度席が埋まった時に、個席化されていないところをどれくらいカウントするか……」
昇格の可能性が現実味を帯びてくる中、フロントスタッフは昇格した場合を想定して、座席割りやチケットの売り方を検討していました。
(ファンエンゲージメント部/森繁豊 部長)
「満員にもしくは満員に近くなる試合は2試合とか3試合くらいだったけど、J1に行くとここが圧倒的に増えてくる。半分くらいはもしかしたら満員に近い数字になるかもしれないので」
今シーズンのJ2平均観客数は約4400人。それに対してファジアーノは約6400人とリーグ屈指の集客力を誇ります。しかし、J1クラブの平均観客数はその約2倍の約1万3000人です。
最終順位によってはプレーオフをホームで戦う可能性もあり、シーズン終盤に向けてさまざまなケースをシミュレーションしています。
(ファンエンゲージメント部/森繁豊 部長)
「この時期にこういう順位にいて、いろんなことを考えられるのは、私たちにとって本当に幸せなことで。1人でも多くの県民の方と一緒に、この道のりをたどっていきたいと思っている」
かつてない積極的な補強も 勝負懸ける「本気の1年」
夢舞台に向けて準備が進むファジアーノ。今シーズンは開幕前から「勝負の年」と位置づけたシーズンでした。
(ファジアーノ岡山/北川真也 社長)
「『うねり』に乗る。波に乗る、風に乗るということではなくて、しっかり『うねり』を起こしていく。風を起こす立場にならなければいけないと思ってスタートしました」
「うねり」を起こすために取り組んだのは「魅力的なサッカーの追求」です。
(ファジアーノ岡山/北川真也 社長)
「(新型コロナ前は)いかにスタジアムで1日楽しんでいただけるかということを意識してやっておりました。新型コロナになって、フーズが出せない、イベントもできない、純粋にサッカーだけを楽しんでもらうことになってしまうと、一気に入場者数が減ってしまいました。一番分かりやすい数字でいうと、インターネットメディアでJリーグの全試合見られるんですけど、ファジアーノの視聴率はJ2で最低でした」
そこでファジアーノは、かつてない積極的な補強に動きました。
(ファジアーノ岡山/北川真也 社長)
「シーズン前の選手獲得で(ファンに)本気度を感じてもらう。そしてシーズン中にその選手たちがしっかり躍動して、うねりを起こしていく」
ここまでリーグ2位の15ゴールを挙げているチアゴ・アウベスや、昨シーズン、京都のJ1昇格に貢献したヨルディ・バイスら、実績ある外国人選手を次々獲得。
さらに、同じJ2のライバルチームでレギュラーを務めた選手たちも、さらなる高みを目指してファジアーノへの移籍を決断しました。
(栃木から加入/5 柳育崇 選手)
「このために来たので。J1昇格という目的にチャレンジできているこの現状に非常に喜びを感じています」
(8月に秋田から加入/34 輪笠祐士 選手)
「J1を狙っているチームからオファーをいただけたというのは素直にうれしくて。そこでチャレンジしたいという思いで移籍は決断しました」
選手たちが起こした「うねり」は少しずつ広がりを
選手たちが起こした「うねり」は少しずつ広がりを見せます。
シーズン終盤へ街の盛り上げを図ろうと新たなデザインのポスターを制作したファジアーノ。8月27日、サポーターらが1日で364枚のポスターを貼り歩きました。
(サポーター)
「どんな形でもいいので、ファジアーノ岡山を支えられたらと思っていますし、そういう方がたくさん増えれば、それがパワーになると思いますので」
8月31日にはイオンモール岡山でパブリックビューイングが行われ、平日に500人が集まりました。
(サポーター)
「(Q.今年のファジはどう?)J1昇格しそう!」
「去年と違って勝ちきることができる。今年は絶対J1昇格!」
「この時期に3位にいたことって今までなかったので、これから全部勝ってもらって……上がりたいなあって」
そして、9月4日のホーム戦。入場者数は新型コロナ禍初の1万人を突破しました。
(津山市出身 高卒ルーキー/22 佐野航大 選手)
「自分たちが結果を出しているからこそ、見に行こうってサポーターの方も思ってくれるのかなと思うので、結果を出し続けないといけないなと思います」
一度も昇格を経験しないままJ2での14シーズン目を迎えたファジアーノ。かつてない大きな「うねり」に乗って2022年こそまだ見ぬJ1を目指します!
(ファジアーノ岡山/北川真也 社長)
「今こうして選手が頑張ってくれているので、あとはこの『うねり』に、選手だけではなくて、しっかりファンサポーター、あるいは県民の皆さんと一緒になって乗っかって、大きなうねりにして、J1昇格というものをつかんでいきたい」
(栃木から加入/5 柳育崇 選手)
「ひりついた状況が続くので、僕たちの背中を後押ししてもらえるようなサポートを必要としているので、ぜひスタジアムに足を運んでいただいて、僕たちの背中を押してくださるとうれしい」
ファジアーノは次節(9月25日)、ホームで仙台と対戦します。この試合では岡山県内の高校生を無料で招待します。事前の申し込みが必要なので、詳しくはファジアーノ岡山のホームページをご覧ください。