ロシアのウクライナ侵攻から2月24日で1年になります。2022年7月、ウクライナから香川県高松市に避難してきた女性に話をうかがいました。
ウクライナ人のアゲェヴァ・ナタリーさん(67)。2022年7月、高松市に住む娘のアゲヴァ・オリガさん(45)のもとに避難してきました。
「高松は安全な場所だし、いいところです。娘やその家族がそばにいるので安心できます」
ナタリーさんは、ロシアのウクライナへの侵攻が始まった当時の恐怖を今も鮮明に覚えているそうです。
「戦争が始まった時はとにかく怖かった。怖くて眠ることができませんでした。飛行機が飛んでいき、サイレンが鳴り響くのを人生で初めて聞きました」
ナタリーさんは、首都・キーウから約280km離れたクレメンチュクに住んでいました。
2022年6月下旬、日本に行くために町のショッピングモールからバスに乗り、ポーランドに向かいました。そのショッピングモールは翌日、ロシア軍によって攻撃されました。
ナタリーさんの夫は今もその町に住み続けています。持病のため、ポーランドへの長時間のバス移動に耐えられないからです。
「集中暖房システム(発電所から各戸に熱湯を供給)は動いているので、家の中は辛うじて暖かい状態です。電気は数時間だけ供給されています。電気がついている間にお風呂に入ったりしています」
2022年10月、ロシア軍がウクライナの発電所などを攻撃したため、厳しい寒さの中、不自由な生活が続きます。
「しかし、近くでロシア軍からの攻撃があるとずっと停電になります」
ロシアのウクライナ侵攻から1年を迎え、ナタリーさんは、1日も早く戦争が終わることを望んでいます。
「もちろん一番大きな願いは、元の生活に戻れることです。それに加えて、今まで破壊された町、破壊されたあらゆる物が元に戻ってほしい。国内で避難している人たちや海外で生活している何百万人もの人が、自分の家に戻れるようになってほしい。それが今の願いです」