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船の体育館の解体「撤回」を 地元の建築士らが署名を提出 香川

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 世界的な建築家、丹下健三が設計した「船の体育館」こと旧香川県立体育館を解体する方針を「撤回してほしい」と、地元の建築士らが署名を提出しました。

 一般社団法人「船の体育館 再生の会」のメンバーが香川県教育委員会の工代教育長に署名を提出しました。署名は、手書きとオンラインあわせ、国内外の5557人分です。

(船の体育館 再生の会/河西範幸 代表)
「壊してしまったら後悔しないのかな、ということは思うので、後悔しない検討を本当にしたのかと」

 1964年に完成した旧県立体育館は、老朽化のため2014年9月に閉館。香川県教委は2021年度、民間から利活用策を募る調査を行い、9つの事業者から10の提案がありました。

 しかし、「県の財政支援を受けることなく民間の持続的な運営は難しい」として、解体の方針を決めました。

(香川県/池田豊人 知事[2月8日])
「広く募ってご意見をいただくことも行いましたが(活用策が)見つからなかった。解体の方向というものしかもう……道がないという」

(記者リポート)
「こちら、『船の体育館 再生の会』が関わった提案書です。収支の想定やビジネスプランを具体的な数字を挙げて示していますが、これらが本当に検討の余地すらなかったのか? 事業者や県民への詳しい説明はありません」

 再生の会が助言し、5社が合同で提案したこちらの計画は、今ある屋根を取り除いてスケボーやスポーツクライミングの拠点、カフェ、ジムなどに利用するというもの。

 最低限の耐震化や改修費用を13.4億円と見込み、仮に解体する場合にかかる費用分を県に負担してもらうプランと、県から改修費を借り、施設の収益によって30年で返済するプランを示していました。

 しかし、「県の財政負担がある」として採用されず、調査の後、意見交換の場もないと言います。

(船の体育館 再生の会/河西範幸 代表)
「検討過程は全く見える状態ではなかったですし、(調査の後)何もコンタクトを、(案を)提出した人たちにしてないというのは、残そうという気はないのかなと」

(香川県教育委員会/工代祐司 教育長)
「教育委員会としたは、できる限りのことをやったと思っています。解体の方向という方針を変えることはありません」

 県は、新年度の当初予算案に、旧県立体育館の解体方法や費用などを把握するための事業費、約4700万円を計上しています。

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