世界的な建築家、丹下健三が設計し、「船の体育館」の愛称で知られる旧香川県立体育館について、県が新年度当初予算案に解体に向けた準備費用を計上する方針であることが分かりました。
複数の関係者によりますと、旧香川県立体育館は建物が複雑な構造のため、解体方法などを探る費用として約4700万円を新年度当初予算案に盛り込む方針だということです。
1964年に完成した旧県立体育館は、老朽化で天井が落下する恐れがあるとして2014年9月に閉館。「建築的な価値が高く地域のシンボル的存在だ」として地元の建築家を中心に保存を求める声も上がっています。
香川県教育委員会の工代教育長は2022年11月県議会で「解体も含めて検討し、できるだけ早い段階で方向性を示したい」と答弁していました。
(県民は―)
「危ないんだったら壊すのはしかたがない」
「近所の住民としてはいちまつの寂しさはあるけど、時代の流れでしかたがない」
「残念、残してほしい」
体育館の保存運動に取り組んでいる建築家、河西範幸さんは「旧香川県立中央病院も解体後の跡地利用が見えていない前例があるので、早期解体とはせず慎重な判断を願います」とコメントしています。