Park KSBアプリに皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。今回のテーマは「服」です。
5月も残すところあと1週間。だんだんと夏が近づいて来ていますが……。
「いつ頃から衣替えという習慣が始まったの?」【岡山市 らふらんす 63歳】
この疑問について高松市の吉田愛服飾専門学校の校長、吉田弘子さんに聞いてみました。
(吉田愛服飾専門学校/吉田弘子 校長)
「平安時代とかそのぐらいから、役によって服が決まっていた時代があったので、それを一斉に着替えて『今からこれです』というふうに決めていた時代があったのでその名残だと思う」
衣替えは平安時代に中国から伝わったと言われています。当時は宮中行事として旧暦の4月と10月の年に2回、夏用と冬用の着物を入れ替えていました。
ちなみに、江戸時代には幕府が衣替えについて定め、回数が2回から4回に増えた……とされています。
洋服が主流になった明治以降は、官公庁や企業が夏服・冬服の期間を明確に定めるようになりました。
(吉田愛服飾専門学校/吉田弘子 校長)
「お役所も制服があったりとか銀行も制服があったりとか、区切りがちゃんとあって、その時は6月とか10月とかっていうふうになっていた」
最近は制服を廃止する企業も出てきていますが、環境に配慮した「クールビズ」や「ウォームビズ」など服装に関する新しい区切りも生まれています。
「衣替え」に関してウェザーニューズは「気温」を目安にあげています。
長袖と半袖を切り替える目安は「25℃」。ただし、あくまでも目安なので、ご自身の体調に合わせて調節してください。
「女性用と男性用の服はなぜボタンの掛け方が逆?」【高松市 カープ高松応援団長 61歳】
一般的に男性用は向かって右側の布が上、女性用は左側が上になっています。
これについては――。
(吉田愛服飾専門学校/吉田弘子 校長)
「いろんな説があって、服はヨーロッパの方が来ていますよね。ボタンのある服というのは割と身分が高い人が着ていたので、自分で着ずに着せてもらっていた」
吉田さんによると、右利きの人が多いので、着せる時にボタンが掛けやすいよう向かって右側の布が上になっているそうです。
反対に女性は――。
(吉田愛服飾専門学校/吉田弘子 校長)
「女性はドレスを着ていたので、上着という概念がもうちょっと後だと思う。ちょっとそこで差別化しようというので、女性は右じゃないのかなと」
このほか、男性は右手で武器を持つため左手でボタンをつけやすいように……などボタンの違いについてはいろいろな説があるようです。
「はやりは誰が決めているの?」【赤磐市 ミラクル 45歳】
(吉田愛服飾専門学校/吉田弘子 校長)
「一番の大元は、2年ぐらい前にフランスの方で『流行色』というのを決める」
日本やフランスなど17の国で組織する国際的な団体「インターカラー」は各国の代表が議論をしながら2年後の流行色を決めます。
日本ではこの結果をもとにJAFCA・日本流行色協会が国内向けに情報をまとめ、アパレル会社などに発信します。そして、各社がデザインした商品が私たちの元に届いているということです。
つまりシーズンごとの「流行色」は「2年前」からはやる準備が進められているんです。
ちなみに今の流行は……。
(吉田愛服飾専門学校/吉田弘子 校長)
「天然素材とか天然の色にこだわる人も結構増えているし、ゆるいシルエットやあまり体形が分からないシルエットが多い」