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【解説】こんぴら歌舞伎の復活、新旅館にイベント企画…香川県有数の観光地・琴平町の「新たな動き」とは

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 香川県有数の観光地「琴平町」は、新型コロナの影響を受けて観光客数が大幅に減少しました。2021年は統計開始以来初めて100万人を下回りました。そんな中、この危機をきっかけににぎわいを呼び戻すための新たな動きが出てきています。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出されていた2020年4月。

(香川・琴平町/片岡英樹 町長)
「外出や観光に行かないように、今は一緒になって頑張ってほしい」

 例年多くの人を集めていた「こんぴら歌舞伎」は中止に……。金刀比羅宮の参道沿いの店は多くが休業し、観光の町から人の姿が消えました。

 香川県のまとめによると、琴平町の観光客数は新型コロナの影響を受けて2020年以降大きく落ち込みました。

 2021年は97万人で、統計が残っている1987年以降初めて100万人を割り込みました。

 香川県有数の観光の町は新型コロナによって大きな影響を受けました。このような状況の中で、琴平町の片岡町長は、民間の事業者の意識の変化を感じていました。

(香川・琴平町/片岡英樹 町長)
「今まででしたら金刀比羅宮に来られた方にすがっていた、町のイベントにすがっていたところがあったんですけれども……」

 琴平町の月別の観光客数を見てみると、2019年はこんぴら歌舞伎が開かれた4月やゴールデンウィークがある5月以上に1月が多くなっています。

 新型コロナ禍前、金刀比羅宮には正月三が日で50万人以上の初詣客が訪れていました。

(香川・琴平町/片岡英樹 町長)
「こんぴらさんの参拝客が新型コロナで激減して、自分たちでできることをやろうよということで、割と集まって一緒になってどうするかということを話し合ったりアイデアを出したり、自分たちの観光・商売に対する意識が変わったなと思います」

 2022年11月、琴平町観光協会などが、新たな取り組み「こんぴら十帖」を始めました。これは毎月10日に地元の飲食店が限定メニューを提供するもので5月は17の店舗が参加しました。

(琴平町観光協会/漆原康博 会長)
「『琴平面白いことしよるな』みたいな感じで来ていただいてリピーターにつながって、地元に愛される地区という形で県外からこれを目的に来ていただけたら」

 また、2023年2月には……。

(こんぴら會/吉田尚人 会長)
「このこんぴらが『うどん屋 発祥の地』と思い、このこんぴら會を発足した」

 11のうどん店の店主が集まり「こんぴら會」を発足。金刀比羅宮が所蔵している1702年に描かれたとされる屏風にうどんの生地をこねる様子などが描かれていることなどから、「琴平町が『うどん店発祥の地』といっても過言ではない。そう思いたい」と全国に向けたPRを始めました。

 そして、2023年のゴールデンウィーク。県のまとめによると、金刀比羅宮の参道には9日間で約8万3000人の観光客が訪れました。

(中野屋/羽藤裕子 社長)
「うどん学校の予約状況はコロナ禍前の2019年程度の予約に戻ってきている」

(紅梅亭/多田孝之 支配人)
「お客さんがいっぱい来てくれるというのは旅館としてもうれしいですし、琴平町がにぎわうのが一番いいと思う」

(香川・琴平町/片岡英樹 町長)
「ようやく、この5月8日から(新型コロナが)5類扱いになったということで、ほぼ日常になったと捉えている。大きくこの3年間から変わったなというのはこの1カ月で感じている」

 観光客を呼び込もうという民間事業者の動きはイベントの企画だけにとどまりません。

 地元の経営者らが新たな旅館の建設を計画しています。

(ことひら未来/原健吾 社長)
「こんぴらさんだけではなくてこの施設を目当てに来ていただける、ランドマーク的な拠点になって、『すごい建物があるな』『また来たいな』というような街づくりの一翼を担えたらいいかな」

 金刀比羅宮の表参道。かつて昭和天皇も泊まった「虎屋旅館」の跡地に世界的な建築家・隈研吾さんが設計する旅館を造ろうというプロジェクトが立ち上がりました。

 約3700平方メートルの敷地に12部屋を備えた客室棟とレストラン棟などを整備します。オープンは2026年の予定で、整備費は6億円から7億円を見込んでいます。

 不動産業界出身の原さんの他、地元経営者ら3人が協力し旅館の跡地を活用しようと「ことひら未来」という会社を立ち上げ準備を進めています。

(ことひら未来/原健吾 社長)
「日本的な文化的な要素を残しつつ、かつ参道沿いにマッチングした建物を目指していただけるということで非常に期待している」

 また、琴平町は2020年以降、4年連続で中止になった「こんぴら歌舞伎」について……。

(香川・琴平町/片岡英樹 町長)
「どういう形にしてでも来年、フルスペックになるか、ある程度の、とにかく来年はこんぴら歌舞伎を復活させるということで今は準備を進めているところ」

 そして、町が大きなチャンスと捉えているのが大阪万博や瀬戸芸が開かれる2025年です。

(香川・琴平町/片岡英樹 町長)
「いにしえから『宮・官・民』ということで、金刀比羅宮・琴平町・観光業界が一体になれば強くなるということで、まずは来年の歌舞伎、そして万博・瀬戸芸に皆さまにたくさん来ていただけるような、観光地・琴平であるよう頑張ってまいります」

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