漆芸家の夫と現代美術家の妻のコラボレーションです。高松市の美術館で「光」をテーマにした展覧会が始まりました。
高松市在住の漆芸家・後藤健吉さんと妻で現代美術家の朝子さんの2人の作品展「モノクロームの光」です。
漆の黒を追求する健吉さんと禅と現代美術の融合を目指す朝子さんがそれぞれの空間を作り出しています。
(記者リポート)
「こちらの姿が見えるほどまじりけがなくつやのある色です」
後藤健吉さんの「心象風景Ⅱ」は、漆の上に銀粉をまいてヴェネチアの街並みを緻密に描き出しています。
(漆芸家/後藤健吉さん)
「銀粉の量をいっぱいまいたり少しずつまいたりとかいう技法を使って濃淡をつけるということですね」
朝子さんの「騎牛帰家」は、仏の道に入り、悟りに至るまでの道のりを10枚の絵で表現した禅宗の絵「十牛図」がモチーフです。
胡粉(ごふん)という白い顔料を何層にもわたって塗り重ねています。
朝子さんが造った頭の形のオブジェに健吉さんが漆を塗った作品「Face-URUSHI-」は、健吉さんの漆の黒と朝子さんの胡粉の白を対比させています。
(現代美術家/後藤朝子さん)
「光がないとものが見えない。ですから、光っていうのはとても重要なものだっていうふうに捉えています。外的な光もそうですし、内的な光もとても大切だなって思っております」
朝子さんの作品の中には、禅の思想「〇△□」にちなみ、香川県内で見つけた丸や三角、四角いものを撮影した写真もあります。
展覧会は7月17日まで、高松市塩江美術館で開かれています。