高松市の障害者支援施設が一部の利用者に契約解除を通知した問題です。通知を受けた利用者と保護者が施設を訪れ、入所の継続を求めて抗議しましたが、施設が応じることはありませんでした。
(記者)
「利用者や保護者らが施設の前でプラカードを掲げて抗議しています」
自閉症と診断された重度の知的障害者らの入所施設「ウインドヒル」は、職員の大量退職を理由に9人の利用者について退所を求めています。(9日付で契約解除の通知)
11日は、契約解除の通知を受けた利用者と保護者を中心に約30人が集まり、入所の継続を求めました。
施設側は、敷地に入らないよう求めていて、運営法人を指導監督する高松市の職員が間に入って、両者の意向を伝えました。
(高松市障がい福祉課/前田佳之 課長補佐)
「説明としては、これまで文書でやり取りした内容が説明ですとのことでした。上に上がっていただければ応答するということで」
(保護者)
「降りてきてください」
1時間半ほどしても、話し合いが行われることはありませんでした。
(契約解除通知を受けた保護者/岩部雅人さん)
「いま改めて、厳しいなという思いでいますけど。どうしてわれわれが人選されたのかというのが、未だに理由がわからない」
市によると、現在の施設の職員数は法定基準を満たしていて、保護者は「入所継続は可能」として8日に、高松地裁に「仮処分」を申し立てました。
一方、施設は、県内のほかの施設に比べて職員一人当たりの入所者数が多く、安全確保のために定員を削減したとしています。
保護者は、「仮処分」申し立ての結果が出るまでは、自宅で介助したりショートステイを使ったりするということです。
(契約解除通知を受けた保護者/藤岡幸弘さん)
「子どもも14年間いたので、14年間いたということは、子どもが嫌だったら嫌だって言ってくると思う。いくら障害者でも。ということは、子どもはここがいいと思うので、なるべくはそう(利用継続)したい」
11日、施設側は取材には応じませんでした。
高松市は「同意なしに強制退所させることは人権上問題」だとして、業務改善勧告を出すことを検討するとしています。