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落雷で焼損した国宝・神谷神社の本殿で修復工事開始 2年後に完了予定…雷対策も 香川・坂出市

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 2022年9月に落雷で屋根が焼けた坂出市の国宝、神谷神社の本殿で、12日、修復に向けた工事が始まりました。

 起工式には関係者約15人が参加しました。

 神谷神社の本殿は鎌倉時代初期の建立で、建築様式が現存する建物としては最も古いことから国宝に指定されています。

 その本殿に2022年9月27日正午ごろ、雷が落ちました。ヒノキの木の皮を重ねて作った檜皮葺の屋根が焼けましたが、文化庁は「国宝としての価値は損なわれない」としています。

 落雷で焼けた国宝建造物の修復というほとんど前例がない工事だけに、しっかり記録を残しながら慎重に進めることになります。

(山下佳乃リポート)
「本殿の工事は、まず落雷によって焼けた屋根を解体して、使える材料と使えない材料を分けるところから始めます」

 文化財の保存修理の基本原則に沿って傷んだ木材でも再利用できるものはなるべく補修して活用します。炭になって使えない部分は新たに木材を加工して作ります。

 屋根を組み立て、檜皮をふくなどの行程を経て、2025年の9月に工事が完了する予定です。

 修理にかかる費用は合計約1億5000万円で、2023年度分に関しては国から85%の補助が出ます。残りは香川県・坂出市・神社が5%ずつ出します。

 神社が負担する分は、クラウドファンディングなどで集まった資金を活用します。

(神谷神社/中尾 格 宮司)
「我々といたしましたら、ずっと昔から神社を守ってきた。昔からやってきているようにこれからもお守りしていきたい」

(山下佳乃リポート)
「今回の火事の原因である雷は、こちら、屋根のてっぺんにある千木と呼ばれるパーツに落ちました。これを受け、工事終盤には雷対策もしたいとします」

 雷の対策についてはまだ具体的な方法や費用などが決まっておらず、今後、検討することにしています。

(神谷神社/中尾 格 宮司)
「私の代でこういうことになったのは、本当に重く受け止めている。修復工事が終わったら、宮司はうちの娘、禰宜である娘に引き継ごうと考えている」

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