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大学生が映画館を借り切って上映会 事故で休学…卒業する同級生へのはなむけに 香川

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 香川大学の学生が3月24日、高松市の映画館を借り切って上映会を開きます。動画配信サービスで手軽に映画を見る人も増えている中、上映会を企画したのはある「思い」からでした。

 旧ツイッター、Xで見つけたアカウント「香川の大学生がミニシアターを借りて映画を上映する日」。
 3月24日、高松市の映画館「ソレイユ・2」でアニメ映画『千年女優』を上映するとのこと。

記者「大学生がなぜ映画館を借り切ろうと思ったのか? 連絡を取って話を伺うことにしました。あ、いらっしゃいました。こんにちは」
河村さん「こんにちは」

 香川大学教育学部4年の河村奏音さん(22)です。

Q.今回、映画の上映会を開催しようと思ったきっかけは?
(香川大学 教育学部4年/河村奏音さん)
「2年ぐらい前から友人と(監督)今敏さんと(音楽)平沢進さんがタッグを組んだ作品の上映会をしたいねという話をずっとしていて、この日にやろうというのがなかなか決まらなくて、できたらいいね……というのが続いてたんですけど、昨年の9月に、私が交通事故に遭って……」

 2023年9月、河村さんは自転車で道路を横断中、車にはねられました。頭を強く打って入院し、療養のため大学を休学しました。そのため、同級生たちと一緒にこの春、卒業を迎えられなくなったのです。

(香川大学 教育学部4年/河村奏音さん)
「(友人たちと)頑張らないと会えない状況になるんだなというのがすごく寂しいなと思って。(卒業のプレゼントは)形に残るものだけじゃなくてみんなが会ってしゃべれるきっかけの場所として」

 上映会を開くのは、ちょうど香川大学の卒業式の日です。

 上映する映画『千年女優』の製作は河村さんが生まれた2001年。主人公が好きなことに突き進む姿にひかれたそうです。

(香川大学 教育学部4年/河村奏音さん)
「卒業してみんな新しい環境で新しいことをしていくと思うんですけど、何か1個すごい自分の中で大事なものを見つけてそこにまっすぐ突き進んでほしい」

 ソレイユ・2を選んだのは、昭和の邦画のオマージュが盛り込まれた作品の雰囲気にぴったりだったから。貸し切りでの上映料やチラシの印刷代、約15万円はバイトなどで貯めた貯金から捻出しました。

 定額サービス、サブスクの配信で映画を見る人も増えていますが、河村さんは映画館を満席にしてみたいと意気込みます。

(香川大学 教育学部4年/河村奏音さん)
「映画館が満員というのを体感したことがないので。卒業生も卒業生じゃない人も観に来ていただいて、みんなの熱気の中で作品を楽しみたい」

 上映会は3月24日午後7時から。入場料は一般1500円で、この春卒業した人は学校に関係なく1000円です。

 前売り券(1300円)はソレイユや古書店「なタ書」などで販売中のほか、専用フォームでも予約を受け付けています。

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