防災の知識や技能を身に着けた「防災士」。高松市の小学生が、香川県最年少の10歳で防災士試験に合格しました。
香川県の池田知事を訪ねたのは、この春から小学5年生になる稲月あかりさん、10歳です。
あかりさん「香川県の小学校って耐震とか大丈夫なんですか」
知事「小学校の耐震は、終わってるんです」
あかりさん「じゃあ一安心」
あかりさんは2023年12月の試験に合格し、2024年2月、防災士に認定されました。「10歳の防災士」は香川県で最年少です。
あかりさん「南海トラフ地震が起きてしまったら、香川県知事さんは何をするんですか」
知事「県内から山が崩れました、橋が落ちてます、そういう情報が集まってくる」
あかりさん「大忙しだ」
知事「しゃべってて、大人としゃべってるみたいだね」
(防災士/稲月あかりさん)
「防災意識を自分のも高めて、いろんな人にも持ってほしいなと思います」
防災士の資格は養成研修講座に参加した後、試験に合格して講習を受けると取ることができます。
日本防災士機構によると、香川県で4400人余り、岡山県で5800人余りが防災士の資格を持っていますが30歳未満で取得した人は約15%です。※3月末時点
(香川県/池田豊人 知事)
「若い世代で関心が高まることが全体として防災意識の高まりになりますし、保護者の関心にも逆流と言いますか、つながってくると思うので」
この日、あかりさんが訪れたのは高松市の100円ショップです。あかりさんは防災士になったら「持ち歩きたい物」がありました。
(防災士/稲月あかりさん)
「防災ポーチの中身を買いに来ました。(Q.防災ポーチって何?)出かけるときに持ち歩いて、もし災害にあったときのための最低限の物が入っているポーチやボトルのことです」
店内を探して見つけたのはライトです。
(防災士/稲月あかりさん)
「(Q.どんなところで悩んだ?)中身の電池と大きさとか持つ時間、こっちの方がいいなと思ってこっちにしました。(Q.色がかわいいとかじゃなくて?)それもありますけど」
他にもアルコール消毒用の綿を買いました。
100円ショップで買った物と用意していた物を「防災ポーチ」に入れます。
(防災士/稲月あかりさん)
「母親と父親の電話番号のメモ。それから非常用の携帯食、ポーチに付いている笛。これは土に埋もれたりとか自分が動くことができない状況に陥ったときに、笛をピーって吹いて自分の居場所を知らせることができる。この中にメモが入っていて、もし私が意識不明になったり最悪死に至ってしまった場合に、身元確認をするためのもの。これで一応完成です」
この他にも、小さく圧縮したタオルなどを入れる予定だそうです。
そんなあかりさんが防災士を目指したきっかけは、同じ防災士である「おばあちゃん」の存在でした。
(防災士/稲月あかりさん)
「東日本大震災があった時に、被災地に行ってうどんを作ったりとか励ましてあげたりとかいろいろしたそうです。(おばあちゃんは)すごくその道を極めている」
あかりさんの祖母は3月、能登半島地震の被災地でボランティア活動をするなど、被災地支援に積極的に参加しています。そんな「おばあちゃん」の背中を追って始めた防災士の勉強。
(防災士/稲月あかりさん)
「勉強はさすがに大変でした。教本がすごく分厚くて読むのが大変」
それでも週末を中心に勉強を頑張り、防災士の試験を受験。見事、満点で合格しました。
あかりさんの家族は祖母と父が防災士で、母の理恵さんもあかりさんと一緒に勉強して防災士の資格を取りました。今後は家族3世代で防災に取り組みたいそうです。
(防災士/稲月あかりさん)
「家族全員で避難経路を改めて話し合ってみたりとか、防災について『ここをこうしたらいいんじゃない?』とか話し合ったりとかもいいかなと思っています」