高松市の栗林小学校6年、内藤綸香さん。字からは、彼女の几帳面な性格が垣間見えます。そんな彼女が書道の全国大会で獲得したのが「内閣総理大臣賞」。数多くの最高賞を受賞、そんな彼女に立ちはだかる壁とは。
墨汁の香りが広がる空間。高松市木太町の集会場で開かれている木村毛筆硬筆教室には、未就学児から中学生まで約40人が通っています。
少女がひざを立てて座り、「止め」「はね」「はらい」などを意識しながら、四字熟語の「不言実行」を練習中です。書き終えると、先生に見てもらいます。
(木村恵子 先生)
「『ぎょうにんべん』の1画目が上がりすぎ。もうちょっと下」
練習に励んでいるのは、栗林小学校6年、内藤綸香さん。何度も、何度も納得がいくまで書き続けます。
(栗林小学校6年/内藤綸香さん)
「最初は書けなくても、練習すればするほど上手になるところが楽しいです」
(木村恵子 先生)
「素直。本人が(字に)出ていると思うんですけど、素直だし、線がきれい。やっぱり努力家なので書けるまでゆっくり練習しているところが、きれいな線が出る所が、皆さんぱっと目がいくんだなと思います」
6歳の時に書道を始めた内藤さん。努力家な性格が実を結び、これまでに100以上の大会で入賞。
小学3年生の時には伊勢神宮などが開く書道展で「文部科学大臣賞」を、4年生の時には成田山全国競書大会で「内閣総理大臣賞」を受賞するなど、最高賞をいくつも受賞しました。
自宅の部屋の棚には金色のトロフィーがびっしり。その数は数十個に上ります。
さらに―
内藤さん「下……(ベッドの)下にもいっぱい」
山下アナ「まるまるある感じ?」
内藤さん「いや、半分」
山下アナ「なかなか、これだけトロフィーがあるお部屋ないよ(笑)」
これまで書いてきた数々の作品の中でも―
山下アナ「それが、今までの中で一番お気に入り?」
内藤さん「うん。大きさとかバランスが揃っているのが(お気に入り)」
内藤さんのお気に入りの道具、文鎮です。ネズミ・竜・蛇、そしてアマビエをモチーフにしたものがあります。
山下アナ「どうしてアマビエを選んだの?」
内藤さん「やっぱり、健康でいたいなと思って」
山下アナ「おばあちゃんみたいな(笑)」
内藤さんが最近練習を始めたのが、漢字の書体のひとつ「行書」です。
一画一画のつながりや流れを意識しながら書く必要があり、なかなか思うように書くことができません。
(書道の大会で最高賞多数/内藤綸香さん)
「んー、あんまり……。ここの強弱とかを意識したり、この『手』がぺっちゃんこになったりしちゃいけない」
木村先生は、今後内藤さんに求められるのは、文字の「元気良さ」だと話します。
(木村恵子 先生)
「もちろん形も上手に取らないといけないですし、勢いもいりますよね」
勢いのお手本となるのが、3つ下の弟、理仁くんかもしれません。
(母・乃理子さん)
「(綸香さんは)本当に丁寧に書くんですよ。(理仁くんは)勢いはいい。動きのある線、いい線を出すなってあるんですけど、ちょっと粗い(笑)」
字のタイプが違う2人にとって、お互いの存在はいい刺激になっているそうです。
この春、中学校に進学する内藤さん。環境が変わっても書道の道を究めたいと話します。
(書道の大会で最高賞多数/内藤綸香さん)
「習字を勉強と両立しながら頑張っていきたいなと思っています」