岡山県にもゆかりがあり、2024年に101歳で亡くなった染色家・柚木沙弥郎さんの作品の数々を展示した特別展が、岡山市で開かれています。
のびのびと、鮮やか。2024年、101歳で生涯を閉じた染色家、柚木沙弥郎さんの作品です。
「型染」と呼ばれる技法の第一人者の柚木さん。東京出身ですが、父は倉敷市玉島の出身ということもあり、戦後は倉敷市の大原美術館に勤めていました。
その際、人間国宝の染色家・芹沢銈介さんのこの作品に出会い、染色の道を歩み始めたといいます。
岡山から東京に戻った後も大原美術館のロゴマークを作成するなど、岡山との関わりを持ち続けました。
会場ではそんな柚木さんの創作初期から晩年に至るまで、280点余りの作品が展示されています。
「波動」と題された作品は、埼玉県の音楽ホールに飾るために作られました。波を思わせるダイナミックな形に、丸や三角などがリズミカルな印象を与えています。
(記者リポート)
「こちらは、まど・みちおさんの詩に付けられた挿絵です。カラフルでパワフルな印象です。染色作品だけでなく、こうした絵本の挿絵やこのような立体作品も作り出したということです」
展示では、柚木さんが創作の幅を広げていった様子も楽しめます。
(岡山県立美術館/廣瀬就久 主任学芸員)
「自分が面白いなと思う人とか物事とか、そういうものをできるだけ明るく皆に届けたいという気持ちが表れていると思う。自分自身の美しいものを最後まで続けていった、息の長い作家だった」
この特別展「柚木沙弥郎 永遠のいま」は、3月23日まで開かれています。