3月8日に史上最年少23歳の王者が誕生した「R-1グランプリ」。日本一のピン芸人を決めるこの大会に、落語に取り組む高松市の小学生が挑戦し、準々決勝まで勝ち進みました。「落語」だけでなく「お笑い」でも力を発揮する彼の強みとは?
落語の演目の一つ「時そば」で観客の笑いを誘うのは、高松市の小学生落語家、本読亭魚之輔さん(10)です。
1年半ほど前に落語を始めた魚之輔さんは、2024年夏に開かれた落語の全国大会で優秀賞を受賞。今では、県内外のさまざまなイベントに出演しています。
この日も……
(小学生落語家/本読亭魚之輔さん)
「今から広島のお笑いのステージに、R-1でやったネタをしに行きます」
そう、魚之輔さんは日本一のピン芸人を決める「R-1グランプリ」に出場したんです。
今回のR-1グランプリには過去最多の5511人が出場。「落語」を盛り込んだコントを披露した結果、122人に絞りこまれた準々決勝まで残りました。小学生が準々決勝まで進むのは、前代未聞だということです。
(小学生落語家/本読亭魚之輔さん)
「R-1だったらピンだから一人でやるから落語とほぼ一緒だから力も付くし。また出たいなと思いました。(Q.自分が主としてやっていきたいのは?)落語です」
大手前高松中学・高校の同好会「お笑い研究会」です。
魚之輔さんは現在、自宅での練習の他に同好会の活動に月に1回ほど参加しています。「落語」に取り組む生徒はいませんが、互いのネタを見せてアドバイスし合うことで、成長につながるということです。
ここには2024年、M-1グランプリの2回戦に進出した中学生と教師の漫才コンビ「二者面談」の吉嶋一葉さん(中3)と邑地秀一郎さんもいます。実は、魚之輔さんのR-1グランプリ出場は邑地さんの誘いがきっかけでした。
(漫才コンビ「二者面談」/邑地秀一郎さん)
「僕が彼を誘ったのは、勝ち上がるんちゃうかなって思ったからです。演技力はすごく見られると思うんですけど、彼のそば食べる演技とかは通用するんじゃないかなと思って」
魚之輔さんは「邑地先生と一緒なら」と出場を決めたそうです。邑地さんは1回戦敗退でしたが、魚之輔さんの成長には目を見張ったそうです。
(漫才コンビ「二者面談」/邑地秀一郎さん)
「R-1出てから余計に表現力が増したなと思いました」
この表現力を生かして今後も落語に取り組む魚之輔さん。この日は同好会のみんなに「時そば」を見てもらいました。16日にあなぶきアリーナ香川で開かれる県民参加型イベントのステージで披露するものです。
(小学生落語家/本読亭魚之輔さん)
「まっず!なにこれ、出汁の中に強烈な甘み。なんて言ったら良いんだろ……気の抜けたコーラ? 正解! 正解じゃないよこれ……」
この要素は魚之輔さんオリジナル。この他にもアレンジを加えて「自分だけの時そば」を作っています。
(お笑い研究会の生徒は―)
「ちょっとずつアレンジ『コーラ』のところとか入れてきて、それが江戸時代の中にたまにそういうのが入ってくるから対比・緩急というのが面白かったです」
魚之輔さんの夢は、客に「来てよかった」と言ってもらえる落語家になること。そこに向けて笑いを届ける仲間と共にさらに「表現力」を磨いていきます。
(漫才コンビ「二者面談」/邑地秀一郎さん)
「まだまだ化けると思いますよ。すごい素材だと思います。香川県のアマチュアでお笑いをやっている仲間はまだまだ少ないので、彼みたいな存在はすごい貴重なので、一緒に盛り上げていきたい」
(小学生落語家/本読亭魚之輔さん)
「僕も邑地先生とずっと香川を盛り上げていきたいです」