旧香川県立体育館の解体工事を巡り、「アスベスト調査が不十分ではないか」と通報があったことを受け、高松市などが現地確認を行っていたことが分かりました。法律で義務付けられている解体元請業者による事前調査は適切に行われているとする一方、解体設計図書には記載がなかったアスベストも確認されました。
香川県は2026年2月、解体工事前の調査で想定されていなかったアスベストを含む吹き付け材が確認されたと発表。建築家らで作る「旧香川県立体育館再生委員会」は3月17日、他にもアスベストが疑われる箇所があるとして、高松市と労働基準監督署に「アスベスト調査が不十分な疑いがある」と通報しました。
この通報への対応についてKSBの記者が香川県と高松市に情報公開請求したところ、県は「文書が大量で内容が複雑」などとして公開決定を6月12日まで延期しました。
一方、高松市からは対応記録などの文書が5月7日付で開示されました。
それによると、再生委員会から通報を受けた8日後の3月25日、高松市環境指導課と労基署などが県と県教委、解体工事の元請業者である合田工務店の立ち会いの下、現地確認を行いました。
このうち1階や中2階の廊下の天井は解体設計図書にアスベストについての記載がありませんでしたが、「レベル3みなし」と判定しました。
「レベル3」は通常の使用に問題がないものの、解体時には飛散のリスクが生じるものです。「みなし」とは分析調査を省略してアスベストが含まれるとして対策を行うことを指します。
また、縁梁の亀裂の補修箇所は元請業者が「足場を組んだ後に調査予定」と伝えました。
高松市は現地確認の結果、「大気汚染防止法で義務付けられている元請業者による事前調査は適切に行われている」としています。
開示された対応記録には、高松市が合田工務店の担当者にアスベストを含む建材の解体作業について「大気汚染防止法で定められているものは散水だけではあるが、社会的注目が高いため、客観的にみて散水していることがわかるようにするように」と伝えたやりとりもありました。
業者は、解体工事現場に設置した看板にはアスベストが確認された箇所と除去作業の方法などを掲示しています。
旧県立体育館の解体費用の差し止めを求める住民訴訟で、原告の再生委員会側は「解体設計図書には発見が容易なアスベストを見落とすなど重大な不備があり、解体費用が不当に増大したことが推認される」と主張しています。
そして、アスベスト調査の結果などの開示を求めましたが、被告の香川県側は「出す必要がない」と開示しない方針です。
11日の定例会見で香川県の池田知事は―
(香川県/池田豊人 知事)
「今分かっているアスベストが設計段階で分かっていないことについて、特に何か問題があるということは考えておりません。(Q.もともと入札前に予定できる金額よりも(費用が)今後かかってくる可能性が出てくると思うが)やはり安全が第一というか、健康被害を及ぼさないことが第一ですので、それによる費用についてはしっかり、かかっても充てていく、これが適切かなと思っています」