視聴者の疑問に答える「みんなのハテナ」。今回はアスパラガスです。香川では「さぬきのめざめ」というオリジナルの品種もあります。坂出市のアスパラガス農家などに疑問に答えてもらいました。
坂出市府中町と、隣接する高松市国分寺町のビニールハウス19棟でアスパラガスを栽培している吉田和宏さん。21歳の時に就農し、香川県農業試験場が開発した「さぬきのめざめ」という品種を栽培しています。
1月中旬から10月末まで収穫は毎日あるそうです。量は1日最大約80kg、年間約12tになるそうです。
(アスパラガス農家/吉田和宏さん)
「さぬきのめざめの特徴は50cm伸ばしても(穂先が)開かない。根元の方まで柔らかい芽を出してくれるのが従来の品種より早い品種。基本は28cmで収穫する」
(記者リポート)
「アスパラガスの収穫作業を体験させてもらいます。腰が痛くならないように台車に乗って移動します。長さの目安が付いた専用のはさみを使って根元から取ります。切り口がみずみずしくてとてもおいしそうです」
「アスパラガス」の由来は?(総社市 キノリ 42歳)
(アスパラガス農家/吉田和宏さん)
「アスパラガスという名前の由来はギリシャ語で新芽という名前からきている。日本には江戸時代に入ってきていた1780年代、その時は観賞用。食べているアスパラガスは1960年代からどんどん北海道の方から栽培していた歴史がある」
アスパラガスには「春芽」と「夏芽」があります。「春芽」は冬の間に根が蓄えた養分で成長し、1月中旬から5月ごろまで収穫します。
「夏芽」は「春芽」の中から親木を選んで生い茂らせ、その光合成の養分で成長します。6月ごろから10月末まで収穫します。
名前の由来である「新芽」とあるように収穫した後も次々と新しい芽が出てくるのがアスパラガスです。
1日何cm伸びる?(倉敷市 グミ 40歳)
(アスパラガス農家/吉田和宏さん)
「最盛期だと1日で5cmから10cmくらい伸びる。1日5cmから10cm伸びるので(芽が出てから)3日、4日くらいで収穫になる」
アスパラガスの生育の適温は25℃で、ビニールシートを二重にはり、密閉して保温しています。暖房器具は使っていませんが寒い2月でも日中、ハウスの中の温度は30℃を超えています。
吉田さんはビニールシートを巻き上げて空気を入れ替え、温度が上がり過ぎないよう注意しています。
点滴チューブのタイマーをセットし、冬の時期は週に3回、15分間隔で給水しています。夏場は毎日1時間以上、たっぷり給水するそうです。
土の中は?(香川・まんのう町 Forest may 58歳)
(アスパラガス農家/吉田和宏さん)
「アスパラガスは1m以上根が伸びる。1m当たりにたくさんいろんな根が伸びているのでどんどん横に横に芽を出してくれる性質がある」
吉田さんは牛ふんや木くずの堆肥を混ぜた土で高さ約60cmのうねを作り、35cm間隔で苗を植えています。
(アスパラガス農家/吉田和宏さん)
「この太い根は貯蔵根とアスパラガスではいう。この中にすごく昨年の養分をしっかりためて(芽が)出てきてくれる。生育が旺盛なのでどんどん根を張りたいと(土の外に)出てきてしまっている」
JA香川県綾坂府中集荷場ではこの時期、28cmで収穫した「さぬきのめざめ」を3cm切って25cmの規格にそろえています。重さによって3Lや2Lなど7種類に分別し、100gの束にして出荷します。
太さで味は変わる?(高松市 けいこ 49歳)
(アスパラガス農家/吉田和宏さん)
「太いものも細いものも基本的には同じ食味になる。太い方が中に詰まった水分の量が多いので食べ応えがある。細いものはアスパラの風味が楽しめるのでどちらもおいしい」
「さぬきのめざめ」を使ったアスパラ料理を、JA香川県坂出地域の女性部の皆さんに教わりました。代表して答えていただいたのは女性部長の乃村登茂枝さんです。
おいしいアスパラガスは?(瀬戸内市 月桃 47歳)
(JA香川県坂出地域女性部/乃村登茂枝さん)
「シャキッとしてみずみずしくて折れたらポキッと折れそうな真っすぐ立っているのがいい。太さは関係ない。私も買い物は細いの。大体売っているのは100g(の束)なので細いのをたくさん買う。その方が買って得した気になる」
太くて少ない本数か、細くて多い本数を選ぶか、分かれるところですね。
一番おいしい食べ方は?(岡山市 かばちゃん 67歳)
(JA香川県坂出地域女性部/乃村登茂枝さん)
「素揚げにするか薄く油をひいていい塩で食べるのが一番おいしい。湯がいて食べるか油をひいてちょっと焼いて食べるか」
下の方の皮を3cmほどピーラーでむき、170~180℃の油に入れて1分ほど揚げたら完成です。
(記者リポート)
「素揚げをいただきます。柔らかい。噛めば噛むほどアスパラガスの甘みが口の中に広がります」
豚肉で巻いて焼く定番の料理もアスパラガスの栄養素、ビタミン類やルチンが出ておいしく食べられるそうです。天ぷらにする場合、マヨネーズを水で溶いててんぷら粉に加えて揚げると衣がサクサクっと仕上がるそうです。
(女性部の皆さん)
「さぬきのめざめ、おいしいです。皆さん、食べてくださいね。よろしくお願いします。お願いしまーす」
吉田さんによりますと、アスパラガスは根元の方が水分量が多く、食べた時に甘く感じるそうです。穂先の方は独特の風味があるそうです。
収穫せずに放っておくと高さ2mくらいまで伸びるそうです。