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銭湯をリノベし喫茶店に…思い出が残る憩いの場で至福の時間を 岡山・津山市【いまココ!ナビ】

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 岡山・香川の話題のものやスポットを紹介する「いまココ!ナビ」。今回は歴史の街、津山市の城東地区にある、元銭湯だった建物をリノベーションした喫茶店です。

(記者リポート)
「お風呂に入っている気分でコーヒーをいただく。至福の時間です」

 目に飛び込んでくる大きな浴槽! 底には古いタイルがはられています。壁紙には、かつて津山で上映された映画ポスターのコラージュが!

 津山市にある「コーヒースタンド 福寿湯」は、かつて銭湯だった建物をリノベーションして作った喫茶店。入り口・正面のキッチンは、まるで銭湯の「番台」のようです。

 福寿湯は旧出雲街道に面し、津山城の城下町の面影を今に伝える城東地区の一角にあります。

 この地区で生まれ育った店長の廣戸達哉さんはもともと和菓子の職人でしたが、地域の人の憩いの場所をつくりたいと2015年に喫茶店を始めました。

(福寿湯/廣戸達哉 店長)
「近所の人ら、自分の大切な人らが集まれる場所を作りたかった。コミュニティーの場所になればなあと」

 春休みで地元に帰って来た大学生の2人組です。

(津山出身の大学生)
「インスタで調べて、めっちゃおしゃれだと思って」

 店には地域の常連客がやってきます。

(常連客/今村信将さん)
「仕事の合間に来て愚痴を言ったり、子どもも、『コーヒー屋のお兄ちゃんとこ行きたい』と言って」

(常連客/船津吉弘さん)
「毎日のようにのぞくんです。よもやま話をするんですけどそれも楽しみの一つ」

 常連客で現在88歳の船津吉弘さんはここが銭湯だった時代に通っていたそうです。

(常連客/船津吉弘さん)
「一番(思い出深いのは)これ、脱衣所(のロッカーの戸)。一から二十まであったんです。家に風呂が無い時はずっとここに来ていた。
8歳(くらいまで)かな」

記者「(浴槽は)深いんですね」
廣戸店長「そう。結構深風呂で。肩まで浸かるならそんな感じで」

 銭湯は明治30年に開業し、太平洋戦争の終戦の数年後に廃業しました。

 その後、この建物は倉庫として使われ、喫茶店をオープンした時、浴槽はコンクリートに覆われていました。

(福寿湯/廣戸達哉 店長)
「(Q.埋まってたんですか?)そうそうそうそう。昔の人からここに浴槽があったという話は聞いていた。営業しながらいつか掘ってみたいと思っていていよいよ掘ってみて。掘り起こすまでこんなに深いとは思わなかったしこんなに狭いとも思わなかったし。(Q.遺跡を発掘するような?)そうですね!」

 この「入浴心得」の看板は浴槽と一緒にコンクリートの下から出てきたものです。

(福寿湯/廣戸達哉 店長)
「洗濯は小さいものでもしないでください、てね。(銭湯は)みんなの場所だったんでね」

 地域の思い出や記憶が色濃く残る憩いの場。福寿湯は、街並みと共存し街の魅力を高めているとして2024年度の「津山市景観賞」を受賞しました。

 廣戸さんの次の夢はいつかこの場所を銭湯に戻し、コーヒーと入浴が楽しめる場にすることだそうです!

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