ニュース

特集

「備中神楽」を受け継ぐ子どもたち 神楽師が減少…伝統を次世代に 岡山・高梁市【こどもミライパーク】

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT


 国指定の重要無形民俗文化財「備中神楽」を受け継ぐ岡山県高梁市の子どもたちを紹介します。

 高梁市に拠点を置く「高梁子ども神楽クラブ」。小学1年生から中学1年生までの11人が週に1度、稽古に励んでいます。

 その中の1人、小学2年生の吉井珊登さん(7)。人気の演目「大蛇退治(おろちたいじ)」で主役の「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」役を演じています。

(吉井珊登さん)
「(Q.なぜ神楽を?)好きだから。難しいけど楽しい。上手くて何でもできる神楽男優になりたい」

 吉井さんが神楽に夢中になったのはなんと2歳のころ。地元のケーブルテレビで流れていた神楽を何度も見返していたそうです。

 3歳でクラブに加入し、いまでは大人顔負けの演技を見せる吉井さんですが、少し恥ずかしがり屋な一面も。

珊登さん「(Q.小さい頃なぜ神楽を見ていた?)……」
母・成美さん「好きだった?」
珊登さん「大蛇の中の人を見たかったから」

(高梁子ども神楽クラブ/山田望 代表)
「決めるところをちゃんと決めたら拍手がくる。バシっと所作を決める」

 クラブを立ち上げたのは地元の小学校教諭、山田望さん。神社などで神楽を舞う「神楽師」の減少に危機感を抱いたことなどから2020年にクラブを発足しました。

 岡山県神社庁によりますと「神楽師」の登録者数は1985年のピーク時には402人。しかし、2024年5月末時点では169人と半分以下に減少しています。

(高梁子ども神楽クラブ/山田望 代表)
「何十年、何百年にわたって今まで続いてきている神楽が人口減少という瀬戸際で、先輩たち、先人から受け継いだバトンを次につないでいかないといけない」

 実は山田さんの幼馴染は人気お笑いコンビ、東京ホテイソンのたけるさん。幼いころから一緒に高梁市成羽地区の神楽クラブで稽古に励んでいたたけるさんの活躍が刺激になっているそうです。

(高梁子ども神楽クラブ/山田望 代表)
「たけちゃんと呼んでいるが、たけちゃんが備中神楽を全国ネットで発信してくれるからすごく大きいこと。自分は反対に地元に残って子どもたちを教えて後世に残すことが自分の今の立ち位置」

 練習していた「大蛇退治」は江戸時代後期に誕生した神代神楽の代表作です。この大蛇退治の基礎を築いたとされる高梁市出身の神主、西林國橋(にしばやし・こっきょう)の子孫がこのクラブで活躍しています。

 石野和奏さん(中1)、和泉さん(小4)、和葵さん(小4)、和貴さん(小1)、きょうだいです。代々伝わる家系図には國橋の本名、西林織衣亮盛堯(にしばやし・おりいのすけもりたか)の名も記されています。

(石野和奏さん)
「(Q.なぜやりたかった?)昔から神楽を見ていて好きだった。幼稚園のころから。(Q.[西林國橋の]血が騒いだから?)ないと思う」

 高梁子ども神楽クラブは県内外のイベントにも出演。2024年1年間で56回も舞台に立ったそうです。

 地域が大切にしてきた神楽を次の世代へ。小さな神楽師たちはこれからも稽古に励みます。

(石野きょうだい)
「これからも神楽を頑張るぞ、オー!」

関連ニュース

全国ニュース(ANN NEWS)

新着ニュース