「光」をテーマに絵画や立体作品などを展示したコレクション展が倉敷市の美術館で開かれています。
倉敷市立美術館で開かれているコレクション展。「光」をテーマに収蔵品を並べていて、絵画や立体作品など約70点を鑑賞できます。
やわらかな色彩の岡山県出身の日本画家、池田遙邨(ようそん)の作品は、船と水面に映る月の光が描かれていて、画面の外で穏やかに月が光っているようです。
遙邨が描いた「灯の饗宴」では客船のような大きな船を窓の光で表現しています。
一方、「監獄」は初期の遙邨の作品。先ほどのものに比べると暗い印象を感じます。遙邨ははじめ、社会の「影」の部分に目を向けていました。
展示では同じ作家の中にある光と影のコントラストを楽しむことができます。
また、こちらの児島虎次郎の作品でも、ヨーロッパへの留学前と留学後で光の捉え方が変わっていくのが見て取れます。
草間彌生さんの立体作品「鏡の部屋 愛は永遠に(No.2)」。
不思議な造形の中をのぞいてみると……。光に照らされた果てしなく広がる空間が。
空間を埋め尽くす水玉がどこまでも続いていくようです。
(倉敷市立美術館/山吹知子 学芸員)
「物がどういうふうに見えるか、見えたものをどういうふうに表現するかというところで、光というのはとても重要なテーマなので、それぞれの作家がどういうふうにそれを表現したかというのを見ていただきたい」
コレクション展「光の奥行き」は、6月1日まで開かれています。