世界的な建築家、丹下健三が設計した旧香川県立体育館の解体に向け、香川県が工事の入札手続きに入ったことを受け、日本建築家協会が12日、保存と活用を求める要望書を知事に提出しました。
全国の建築家約5000人が加盟する公益社団法人日本建築家協会の香川県のメンバー2人が池田知事に宛てた要望書を秘書課長に手渡しました。
香川県は、2014年に老朽化のため閉館した旧県立体育館の解体に向け、7日、工事業者を選定する一般競争入札の情報を公表しました。
入札の受付期間は9月2日から4日までで、予定価格は9億2000万円余りです。
7月、建築家らでつくる旧香川県立体育館再生委員会が民間の資金で耐震補強をしてホテルなどに再生することを提案しました。しかし香川県教委は「具体的な計画などが明確になっていない」などとして協議に応じませんでした。
建築家協会は「再生委員会の提案は建築の価値を生かす貴重な機会だ」として解体の計画を見直し、多様な選択肢を協議する場を早期に設定するよう香川県に求めています。
(日本建築家協会 香川地域会/斉藤圭一 会長)
「(再生委員会の提案は)解体費用10億円を使わずに民間で再生していくという案になってますよね。検討せずに却下するということがみなさん腑に落ちないというか、その案を検討していただきたい」
日本建築家協会では2025年5月、四国支部が旧県立体育館の解体の延期と時間をかけての検討を求める要望書を香川県教委に提出していて、今回は佐藤尚巳会長名での要望書です。
池田知事のほか香川県議会の谷久議長や各会派の代表にも同じ要望書を提出しました。