世界的な建築家、丹下健三が設計した旧香川県立体育館の解体に向け、香川県は7日、工事業者を決める入札の手続きに入りました。公費を使わない再生を提案している民間の団体との協議には応じませんでした。
香川県は7日午前、旧県立体育館の解体工事業者を選定する一般競争入札の情報を公開しました。
2027年9月17日までの工期で、予定価格は9億2000万円余りです。入札期間は2025年9月2日~4日までで、技術提案型の総合評価方式で落札者を決めます。
旧香川県立体育館を巡っては、建築家らでつくる団体「旧香川県立体育館再生委員会」が2025年7月、香川県から建物と敷地を買い取るなどして民間の資金でホテルなどに再生することを提案。5日、企業5社が出資や参画を表明する文書などを追加で提出しました。
しかし香川県教委は同じ日に「具体的な主体や計画などが明確になっておらず、解体の先延ばしはできない」と文書を送付し、再生委員会が求めた協議には応じませんでした。
再生委員会の長田慶太委員長は「県が求めた具体性などに関する追加資料も見ずに入札が発表されたのはあまりにも誠意を感じられない」とコメントしています。
また、「保存・再生を求める署名は7日時点で2万人分を超え、調査会社に委託して行ったアンケートでは県民の7割以上が県に協力や協議を求めている。こうした民意を背に、今後もあきらめずにあらゆる可能性を模索したい」としています。
■旧香川県立体育館再生委員会が調査会社に委託して行ったアンケート調査結果■
Q.香川県が11億円(調査費含む)をかけて解体しようとしている旧香川県立体育館について、先日、民間事業者が香川県から建物を有償で取得し、事業者の全額負担で耐震も含め、改修する計画が表明されました。香川県の今後のすべきと思われる対応と旧県立体育館の利活用に対して、皆さんの考えを教えてください。
【香川県民(有効回答数500)】
・県は、民間事業者に積極的に協力すべきだと思う…37%
・県は、解体手続きを一旦保留し、協議には応じるべきだと思う…36%
・県は、即解体するべきだと思う…12%
・どちらとも言えない…15%
【全国(有効回答数1000)】
・県は、民間事業者に積極的に協力すべきだと思う…33%
・県は、解体手続きを一旦保留し、協議には応じるべきだと思う…32%
・県は、即解体するべきだと思う…8%
・どちらとも言えない…26%
調査方法:インターネット調査(無作為抽出)
調査対象:全国及び香川県内在住の18 歳以上の男女
調査期間:2025 年7月29日~8月3日
調査会社:株式会社サーベイリサーチセンター