おかやま山陽高校の調理科の2人が、8月に行われた料理の全国大会で優勝しました。フランス料理と日本料理のお店を構えるのが目標という2人の料理にかける思いとは。
岡山県浅口市のおかやま山陽高校・調理科に通う3年、原田一樹さんと村上健太さん。2人ともプロの料理人を目指し、日々研さんを積んでいます。
(おかやま山陽 調理科/村上健太さん)
「同じ調理法なのに味が違うとか、作り手によってやり方が全然違ったりとかっていうおもしろさに気づいて」
(おかやま山陽 調理科/原田一樹さん)
「自分の思っていることを自分が好きなように表現できるというか、自分が伝えたいことを形にできるのが料理の魅力」
日本一の栄冠をつかむ
2人は8月に三重県で開かれた全国大会「全国高校生ガストロノミー甲子園」にタッグを組んで出場。
ガストロノミーとはフランス語で「美食」の意味。調理工程や料理の仕上がり、使う食材の原価率や創作力などさまざまな項目で審査が行われるなか、見事日本一を勝ち取りました。
真剣な表情で食材と料理に向き合う2人。料理の道を志したきっかけは?
(おかやま山陽 調理科/原田一樹さん)
「幼稚園くらいの時かな……お菓子を作るのが好きで。おいしいって家族に言ってもらったりするのが一番うれしくて」
(おかやま山陽 調理科/村上健太さん)
「親の知り合いに釣りをする人がいて、『あんたさばいてみる?』って言われてさばくようになったのがきっかけで。パソコンを触るよりも包丁を握って『手に職をつける』のが一番自分の性分にあってるかなって」
小さいころの親の手伝いから始まり「プロの料理人になりたい」とおかやま山陽高校に入学。和・洋・中と料理の勉強や実習を積み重ね、原田さんはフランス料理、村上さんは日本料理と目指す進路も決まりました。
ガストロノミー甲子園はそんな2人が初めてタッグを組んで出場した大会でした。
試行錯誤の日々…時には衝突も
大会で決まっていることは三重県のブランド牛「松阪牛」を使ったセットメニューを作ることのみ。準備期間として与えられた約1カ月で、料理の方向性や味付けなど、時には衝突しながら試行錯誤を続けました。
(おかやま山陽 調理科/村上さん・原田さん)
「(Q.意見が一番われたのは?)盛り付け」
(おかやま山陽 調理科/原田一樹さん)
「1カ月くらい毎日試作を繰り返していく中で意見が合わなかったりとか、何回も諦めたかったりしんどいときもあったけど、自分と違った意見があるのはおもしろい」
(おかやま山陽 調理科/村上健太さん)
「これからの料理人人生の中でも一番身になるなって思った」
そうして2人で作り上げたメニュー。料理のテーマは「晴れの国とハレの日」。
メインは松坂牛とペーストにしたじゃがいもなどを渦巻き状に巻き、太陽をイメージした「松坂牛の晴れ巻」。周りをまとう衣には学校がある鴨方町特産のそうめんを使いました。
ご飯ものは岡山の郷土料理・まつりずしをオマージュし、酢飯の上には海産物ではなく牛のしぐれ煮を。
汁物にはトマトの中身をくりぬいて作った茶碗蒸しを具材にするという大胆なアレンジレシピを考案しました。
2人に食べてもらうと……
(おかやま山陽 調理科/村上健太さん)
「おいしいね(笑)」
(おかやま山陽 調理科/原田一樹さん)
「努力の味と頑張ってきた味が詰まってる、泣きそうやわ(笑)」
夢は「自身の店を構えること」 原動力は?
今後は県外で修行を積んで、ゆくゆくは自身の店を構えることが目標だという2人。夢へと進む原動力は……
(おかやま山陽 調理科/村上健太さん)
「今まで教えてきてくださった人とか、お世話になった人たちに全員に恩返しっていう形で料理を提供して感謝の意を伝えていきたい」
(おかやま山陽 調理科/原田一樹さん)
「やっぱり人に幸せを届けたい、感じていただきたい。おいしいって言ってもらうのが本当にうれしくて、今後も人に幸せを感じてもらえるような料理を目指して頑張っていきたい」
Q.これまでの料理で一番おいしかったのは?
(おかやま山陽 調理科/原田一樹さん)
「これじゃない?(笑)この大会の料理」
(おかやま山陽 調理科/村上健太さん)
「正解! それだよ(笑)」
(2025年9月3日放送「News Park KSB」より)