新コーナー、暮らし×経済です。私たちの暮らしに密着した経済の話題を分かりやすくお伝えします。今回のテーマは「値上げ」です。
10月に値上げするものや、2025年の値上げが家計に与える影響、さらに値上げで苦しむ学生への生活支援を取り上げます。
10月から値上げが見込まれる食品や飲料は3000品目を超えました。3000品目を超えるのは半年ぶりです。
ペットボトル飲料は約5%から25%アップ
(買い物客)
「(Q.どんな飲み物が好きですか?)コーラ」
「ペットボトルは来たら何か買うから」
飲料メーカー大手のコカ・コーラやサントリーなどは1日の出荷分から値上げします。
ペットボトル飲料は約5%から25%アップとなり、500mlのペットボトルでは1本200円を超えるものも出てきそうです。原材料や物流費の高騰などが理由としています。
スーパーでは……
(グランドマート/岡本和恵 取締役)
「たぶんこれが3回目ぐらいの値上げで今回が初めてではなくて、当社もギリギリのところでいってて(1本)100円っていうのはなかなか難しい。何個かだけ月に出せるかなっていうところだと思いますね。特売の日にまとめて買っていただくのがおすすめかなと思っています」
(買い物客)
「10円、20円上がるって聞いてそれだったらアマゾンとかで買ってるけど控えようかな。基本は麦茶作ったりして」
帝国データバンクによると、10月に値上げが見込まれる食品や飲料は3000品目を超えます。
タレなどの一部調味料の価格も生産コストの高騰を理由に最大で15%アップ。さらにパックご飯や切り餅、日本酒などの価格も上がります。
(買い物客)
「なるべく安いところで買い物したりとか。値上がりが厳しいんで、実は本職と副業で夜からアルバイトしてて、それでどうにかやりくりできるようにがんばりたいとは思ってます」
値上げラッシュが本格化した2022年に並ぶ可能性
10月の値上げは3000品目を超えました。2025年4月以来、半年ぶりということですが、実は2025年、通年を通してみると年間の値上げ品目は2022年に並ぶ可能性があるそうです。
2022年は約2万6000品目が値上がりし、「値上げラッシュ」が本格化した年といわれています。
さらに10月は「電気代」や「ガス代」も値上げになります。この夏、政府が物価高対策として「電気代」と「ガス代」に補助金を出していましたが、9月に終了したため、その影響で上がる見通しです。
家計の負担が重くなる中、支援する取り組みが始まっています。香川県内の大学では学生の生活を支援するため、あるものを配っています。
大学が学生の食生活を支援
(松木梨菜リポート)
「お昼の時間になりました。学食には学生さんが列を作っています」
香川県宇多津町の「香川短期大学」の学生食堂。支払いに使っているのは、紙チケットです。
学生の食生活を支援するため、香川短期大学は9月、学食で使える5000円分のチケットを在籍する約390人の学生全員に配布しました。
(学生は―)
「ご飯が高いので。ありがたいです」
「1人暮らしの人とかだとお金が足りなくて満足に食事をとれないとかもあるかもしれないのでいいと思います」
(香川短期大学/加野芳正 学長)
「食券を配るのは初めてですね。食材が高騰しておりまして、学生たちも生活も厳しくなって。学生にも喜んでもらっている企画かなと思います」
この取り組みは、日本学生支援機構の支援事業に申請して得た助成金100万円と大学が100万円を追加して行いました。
さらに10月16日にも学食でおにぎりランチを100円で提供する予定です。
(香川短期大学/加野芳正 学長)
「値上げしてしまったら学生の足が遠のくと思っているので。この食堂を廉価な値段で学生に提供することを続けないといけないと思っています」
また物価高騰は学生の暮らし方も変えているようです。
(学生[実家暮らし])
「自分の地元の方が過ごしやすいので実家で、県内にいてずっと住み続けたいと思います」
「もともと1人暮らしはするつもりはなくて、働きだしてもこのまま実家暮らしを続けていこうかなっていう。犯罪とかの面も怖いしお金がかかっちゃうので母に甘えさせてもらうじゃないですけど、少しお世話になりたいかなって気持ちがあります」
(2025年10月1日放送「News Park KSB」より)