岡山・香川で輝く高校生を応援する「青春のキセキ」です。今回は、高級和牛として有名な千屋牛に青春をかける高校生を紹介します。
新見高校生物調査部畜産班は部員12人です。現在は千屋牛11頭を育てていて、毎日丹精を込めて世話しています。
生物調査部では牛の「調教」も行っていて、約500kgの牛が碁盤に乗る大技を披露してくれることになりましたが……
(生物調査部/大西里桃菜さん[2年])
「大丈夫だよって。そのままで、落ち着いてみたいな感じで、よしよしっていう意味で、『バーヨ』っていう言葉を使っています」
使う碁盤は、縦45cm、横42cm、高さ30cmです。部活動では、手綱と掛け声で牛を誘導する基礎的な調教に加え、古くから新見に伝わる高度な調教にも取り組んでいて、中でも「碁盤乗り」は最も高度な技とされています。
(生物調査部/大西里桃菜さん[2年])
「きょうは『みふゆ』という私たちの愛牛が披露しますので、牛と人との絆の深さ、そして和牛の魅力をご覧ください」
一回目の挑戦で成功しました。
(生物調査部/吉尾琴美さん[2年])
「(Q.こんなにスムーズに乗るものですか?)いや、初めてです!(Q.コツは?)牛と一体になることです。ブラッシングの時とかにコミュニケーションで、『きょうもよろしくね』みたいな感じで話しかけて仲良くなって」
千屋牛は高級和牛として有名ですが、かつては畑を耕す牛として農家に重宝されていました。
新見市の千屋地区では農耕での調教技術に加え、碁盤乗りなど高度な調教が編み出され、1947年には昭和天皇もご覧になりました。
その後、一度途絶えた牛の高度な調教を28年前に復活させたのが新見高校の生物調査部です。
生物調査部は、千屋牛の質を競う共進会に向けて1歳のメス牛「みそら」のトレーニングをしています。
みそらは2025年8月に行われた新見市の共進会で、28頭の中で最高位となるグランドチャンピオンに輝き、岡山県の共進会に出場します。
審査のポイントは、発育の状態や身体の形です。畑を歩かせるなど運動させて、状態を仕上げます。
(生物調査部/戸田愛花 部長[2年])
「みそらと楽しく、行くよみたいな感じで。楽しく話してやってます」
中には、坂道を駆け上がるトレーニングも。
審査に向けて、最後に「みそら」がきれいに見えるかをチェックします。
(新見高校 生物調査部/宮田一三 先生)
「ポイントは全体ですね。輪郭線。体積があって伸び伸びした牛がきれいですね」
毎日お世話をして心を通わせる。高校生は千屋牛とともにかけがえのない時間を過ごしています。
(生物調査部/清水海斗さん[1年])
「最初はみそらを見て、とてもきれいな牛だと思ったし、最近も運動して、肩の回りとかきれいになってきたから、とてもきれいな牛だと思う。将来は、今は、畜産の特に牛のことに関わりたいと思っている」
(2025年10月9日放送「News Park KSB」より)