岡山市の新アリーナ計画について、岡山市の大森市長は、できるだけ早く事業化を判断したいとしています。一方で、まちづくりの専門家は、先日の市長選で計画の白紙撤回を主張していた対立候補3人の合計得票数が過半数を上回ったことを踏まえ、改めて「市民の合意が必要」と指摘しています。
(岡山市/大森雅夫 市長)
「ゴーサインを出すなら早めにやっていかないと、アリーナの完成時期がずれるだけ。できるだけ早くゴーサインが出せれば」
岡山市は北区野田の市営住宅跡地に、最大1万席規模のアリーナの整備を計画しています。
女子バレーボールの岡山シーガルズや、バスケットボールのトライフープ岡山がトップリーグに参入するための要件を満たす施設が岡山県内にないことを整備理由の一つに挙げています。
計画では、事業決定から完成までに少なくとも6年かかる見通しです。岡山市は2031年の完成を目指しています。
岡山市長選で落選した3人の候補者は「当初の計画から予算が膨らんでいる」「アリーナよりも福祉を優先すべきだ」などと主張し、白紙撤回を訴えました。
白紙撤回を訴えた3候補の合計得票数は、有効投票数の56.8%を占めています。
これを踏まえ、岡山大学の中村良平名誉教授は改めて市民の合意を得ることが重要だと指摘します。
(岡山大学/中村良平 名誉教授)
「過半数を3人の合計の得票が上回った結果は住民投票に近いことで、結構重たいと捉えることができる。幅広く市民の意見を丁寧に聞く場をつくり(意見を)聞いた方がいいのではないか。それで必要であればやっていくという風に市民のコンセンサスが一番大事な気がする」
大森市長は市議会の意見も聞きながら事業を進める考えです。
(岡山市/大森雅夫 市長)
「市民の動向がいったいどうなのかということを考えながら対応はしていかなければならない」