岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の永田千晶客員研究員と三宅病院(岡山市)不妊治療-生殖医療センターの三宅貴仁院長らの研究グループは16日、不妊治療中の患者は歯周病を引き起こす細菌の一つ、Pg菌の感染度が高いことを患者データから確認したと発表しました。
またマウスを使った実験で、歯周病が妊娠に悪影響が出ることを世界で初めて確認しました。研究成果は10月7日、国際学術誌「Scientific Report」に掲載されました。
研究グループは、三宅病院を受診している30歳から45歳の不妊治療患者70人と自然妊娠の妊婦76人についてPg菌に対する血清抗体の値を調べたところ、不妊治療の患者の方が値が高いことが分かりました。また抗体値は年齢が高く、不妊期間が長くなるにつれて高くなる傾向がありました。
また歯周病を発症させたマウスを交尾させて出産させ、正常なマウスと比較したところ、子宮が肥大化し、出産数が少なく、胎児の死亡数が多く、低体重になることが分かったということです。
研究グループは、不妊治療を進める上で、歯周病の検査と適切な治療が重要という可能性が示されたとしています。