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肺がん治療薬「オシメルチニブ」心不全による入院リスク増加と関連 岡山大学が分析

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 岡山大学病院薬剤部の建部泰尚薬剤師らの研究グループは6日、非小細胞肺がんの治療薬「オシメルチニブ」を使用した患者は、他の治療薬を使った患者と比べて心不全で入院するリスクが2倍以上高いことを明らかにしたと発表しました。オシメルチニブを投与する場合、定期的に心機能をモニタリングすべきだとしています。

 研究成果は2025年9月12日、アメリカの心臓病学会機関誌「JACC:CardioOncology」に掲載されました。

 研究グループは、全国規模の医療データベースを用いて、2008年から2021年までオシメルチニブで治療した1万1391人と他の治療をした10万8144人を比較しました。

 その結果、オシメルチニブで治療した患者が心不全で入院した頻度は1人1年当たり0.99%、他の治療をした患者が入院した頻度は1人1年当たり0.41%でした。5年間の累積入院数はオシメルチニブ治療患者が5.2%で、他の治療(1.4%)より有意に高いことが分かりました。

 オシメルチニブを投与した患者を細かく分析したところ、65歳以上の高齢者や、心不全、心房細動、高血圧、慢性腎臓病の既往歴がある患者は入院リスクが高い傾向が確認されたということです。

 研究グループは「継続的な心機能検査で心不全の早期対応を図れば、患者のがん治療の継続と生活の質の両立に貢献できる」としています。

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