岡山市の大学で、成功すれば世界初となるサケの完全養殖を目指す実験が行われています。
(岡山理科大学 生命科学部/山本俊政 准教授)
「あり得ないですね。こういうシチュエーションで、岡山でやってる」
岡山理科大学の「好適環境水センター」の水槽で2026年4月からサケの養殖に取り組んでいるのは、山本俊政准教授らの研究グループです。
目指しているのはサケの完全養殖。稚魚を親に育て、その親から卵を採って人工的にふ化させ、さらに次の世代を育てていく取り組みです。
(岡山理科大学 生命科学部/山本俊政 准教授)
「全て自然に頼っている、これをなんとか人間の手の中に入れていく、そのための第一歩です」
サケの完全養殖は成功すれば世界で初めてだということです。
泳いでいる稚魚は約2000匹で、水槽の温度は14℃ほどに保っています。現在の大きさは体長約17cm、重さ40gほど。
4月初旬ごろに比べ体長は約1.7倍、体重は4倍ほどになりました。順調に育っています。
養殖には、岡山理科大学が開発した、淡水魚も海水魚も飼育できる特別な水「好適環境水」を使っています。
稚魚のエラにある、塩分濃度の変化に対処するための「塩類細胞」は、すでに海水での生活に適応できる状態になっているということです。
研究グループは2015年にも好適環境水でシロザケを養殖していて、その経験を生かしたいとしています。その時、稚魚から育てたサケは約1.2kgに成長し、試食した飲食関係者らから脂が乗りおいしかったと評価を受けたということです。
岡山理科大学は、今回のサケの完全養殖について今後2年間で実現したいとしています。
実験は、サケの産地として知られる新潟県村上市の受託研究として行っています。村上市は、稚魚を川に放しても戻ってくるサケが少ないと危機感を持っているということです。
(岡山理科大学 生命科学部/山本俊政 准教授)
「(放流したサケが)帰ってこなくなっている。サケは消えていくだろう。陸上ですべて完結させるというのは、21世紀、22世紀にこのサケ文化をつないでいく決定打になると思います」