ニュース

練習中の事故届け出て顧問からパワハラ…元生徒が訴え「高校生活奪われた」 香川県側は争う姿勢

 香川県立石田高校の元生徒が部活動中の事故を警察に届け出たことをきっかけに顧問からパワーハラスメントを受けたとして、県に損害賠償を求めた裁判です。8日、高松地裁で審理が始まり、被告の県側は「争う姿勢」を示しました。原告の元生徒と保護者が取材に応じ、胸の内を語りました。

(原告の男子生徒)
「悔しい。自分が原因でけがをして(競技)できなくなるとかなら分かるが、まさか顧問の先生が原因で(夢を)つぶされるなんて思ってもいなかったので、すごいショック」

 こう話すのは、2025年まで石田高校の自転車競技部に所属していた男子生徒です。現在は別の通信制高校に通っています。

 生徒は「顧問のパワハラ行為が原因で転校を余儀なくされた」として、香川県に対し約1200万円の賠償を求めています。

 8日午後、高松地裁で初めての弁論準備手続が行われ、被告の県側は「争う姿勢」を示しました。

原告・被告 それぞれの主張は?

 原告側の訴えと被告側の書面をもとに、経緯とそれぞれの主張を整理します。

 発端は2025年7月、学校近くの公道で起きた部活動中の事故でした。

(記者リポート)
「こちらが事故があった公道です。3台の自転車を連ねての練習中に、一番前の自転車のチェーンが外れ3台とも転倒したということです」

 生徒は、全身打撲で全治1カ月のけがを負い、保護者とともに警察に事故を届け出ました。すると、父親は顧問から「威圧的な電話を受けた」と言います。

(男子生徒の父親)
「その道路が使えなくなるとか、今後息子さんの面倒は見ないとか完全に脅しだった」

 これに対し、被告の香川県側は、「顧問は運転者ではないため道路交通法上の報告義務は負っていない」とした上で、顧問は「警察に報告すると公道練習に対する苦情や反対意見が出るようになり、同じような指導をしてあげられなくなる」という趣旨の話をしたとし、「威圧的な言動とは評価できない」と主張しています。

 また、原告側は事故から約1カ月後に行われたインターハイの会場で、顧問から「うちの部員に近づくな」などと暴言をはかれたと言います。

(原告の男子生徒)
「『俺の卒業生に競輪選手になった人がたくさんいるから、この話全部話すからな』と(顧問が言った)。全部終わったなと思った」

 プロの競輪選手を目指して石田高校に入学した生徒は、心身に不調をきたし、PTSD・心的外傷後ストレス障害と診断を受け、高校に通えなくなりました。

(原告の男子生徒)
「顧問が絶対という空気感はあったので、この高校にはいられないというのはあった。僕が高校生活に捧げていたものが自転車だったので、高校生活を丸々奪われたような感覚」

(男子生徒の母親)
「朝早くから晩遅くまで毎日頑張っていた。だからこそ続けさせてやりたかったし、守りきってやれなかったという後悔の念もあるし」

 一方、県側はインターハイ会場での顧問の発言について、「事故をめぐって原告と他の部員の関係が悪化している状況で、一緒にいるわけにはいかないだろうという趣旨だった」などと説明。
 望ましいとは言い難い発言も見受けられるものの、全体として部員の活動への影響を心配してのもので、「違法とまでは評価されない」と主張しています。

  また、「原告が示しているカルテだけでは、PTSDの発症と顧問の行為・発言の因果関係が認められない」としています。

 次回の期日は10月20日の予定です。

KSB 報道
執筆:KSB報道
岡山・香川エリアを中心に日々ニュースを取材、発信しています。
KSBニュースのX(旧Twitter)アカウント

関連ニュース

全国ニュース(ANN NEWS)

新着ニュース

ADVERTISEMENT