アメリカのトランプ大統領がEU(ヨーロッパ連合)に関税を課す意向を示したことを受け、EUの外相は「貿易戦争を始めたら笑うのは中国だ」と牽制(けんせい)しました。
EUの首脳らは3日、ベルギーのブリュッセルで会合し、アメリカのトランプ大統領が検討しているEUへの関税措置などについて対応を協議しました。
EU カラス外交安全保障上級代表 「明らかなことは貿易戦争に勝者はいないということだ。EUとアメリカは非常に密接に結びついていて、EUはアメリカが必要で、アメリカもまたEUを必要としている。関税はコストを押し上げ、雇用、消費者にとっても良くない」
EUの外相にあたるカラス氏は会合前、「アメリカとEUが貿易戦争を始めたら、笑うのは中国だ」と指摘しました。
また、フランスのマクロン大統領は「貿易問題で攻撃された場合、EUは自らを尊重し、対応しなければならない」と述べ、ドイツのショルツ首相は「関税には、関税で対抗できるが、協力の視点と目標を持つべきだ」と主張しました。
EUの株式市場は3日、トランプ大統領の関税示唆を受けて開始直後から軒並み下落し、ドイツの主要銘柄指数(DAX)は先週末と比べて一時、約2.2%下げました。
その後、トランプ大統領がメキシコへの関税発動を1カ月延期すると発表し、持ち直しています。