言論NPOが主催する「東京会議2025」が「国際協調と平和の修復」をテーマに開かれ、各国が協調して取り組む多国間主義がアメリカのトランプ政権になどに脅かされているという懸念が示されました。
4日、都内で開かれた東京会議2025で冒頭、あいさつした岸田前総理大臣は「世界を揺るがしているのは多国間主義や国連などの国際機関の価値を認めず、自国利益を優先する声が強まっていることです」と強調しました。
トランプ大統領の自国第一主義などを念頭に懸念を示しています。
ロシアとウクライナの停戦交渉について、岸田前総理大臣は「侵略されたウクライナの声が反映されず、侵略した側の言い分に同調するだけでは、この地の平和は不安定なままです」と述べ、国連など国際社会の関与も検討すべきだと指摘しました。
また、インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ元大統領は「世界は間違った方向に向かっている感じがしている。多国間主義は危機に瀕している」と危機感を示しました。
会議では、国連のグテーレス事務総長がビデオメッセージを寄せ、核兵器のない世界の実現などを訴えました。
言論NPOが先月に実施した有識者アンケートでは、国連が「機能していない」「どちらかと言えば機能していない」と回答した割合は80%余りに及びました。
また、「今年最も懸念していること」では、約45%が「トランプ政権の自国第一主義的行動」と答え、最も多くなりました。