基礎年金の底上げ案が復活する見通しです。年金制度改革の関連法案を巡り、自民党は立憲民主党の修正案を大筋で受け入れる方針であることが分かりました。
■「あんこ入れる」自公と立憲
1カ月ぶりの党首討論を終えた週末、立憲民主党の野田佳彦代表は胸を張って有権者に報告しました。
「あんこが入っていないんですよ。あんこの入っていないアンパンでは、(アンパンマンの)やなせたかしも泣く。『あんこを入れましょう』という提案をした」
「アンパン」に例えた不思議な提案。「あんこ」とは基礎年金の底上げ案です。ついに動き出した年金改革法案。議論のカギは、立憲民主党が握っています。
立憲民主党 長妻昭元厚労大臣(25日民放のテレビ番組で) 「(いうなれば)年金3割カット防止法案。『あん』は『あんこ』の『あん』ですけれども。やはりこれから年金は厳しくて、(実質受給額が)3割減ってしまう。それを防いでいく手立てとして、これしかない」
参議院選挙への影響を恐れてか、年金改革法案で当初、基礎年金の底上げ策を削除した自民党。一転して、立憲の復活要求を大筋で受け入れる見通しとなりました。
立憲民主党 長妻昭元厚労大臣(22日) 「我々はこれを成立させて、年金改革の一里塚にまず持っていく」
このまま手を組むことができれば、今の国会で年金改革法案は成立します。
自民党 田村憲久元厚労大臣(25日民放のテレビ番組で) 「こういうものは、細部に魂が宿っている場合がある。本当に最後まで慎重に議論をしていかないと」
立憲が復活を求める「厚生年金の積立金から基礎年金に充てる案」について、石破茂総理大臣は以前からメリットを強調していました。
「この措置を実施した場合、最終的には99.9%を超える、ほぼすべての厚生年金受給者の給付水準が上昇すると見込まれる」(20日)
■「2兆円の財源は?」国民・玉木代表
しかし、実現までには大きな壁があります。
日本維新の会 青柳仁士政調会長(25日NHKのテレビ番組で) 「恒久財源が必要だが、何から出すのか、そういう説明は全くない」
基礎年金の底上げについて、当初の与党案も立憲案も厚生年金の積立金だけでなく、税金の投入を前提にしています。
国民民主党 玉木雄一郎代表 「毎年2兆円の追加の公費の投入をどういう財源でやるのか、全く示されていない。説明責任を果たしていない。抜いたあんこを戻しただけでは、安定・安心の年金制度にならない」
今回の年金改革を街の人たちは、どう見ているのでしょうか?
50代 「『不安なく、これだけ(の額)は確実にもらえる』と示してほしい」
30代 「上の年齢の人も協力して(制度運営を)やろうよと思う。働いている人だけ、なぜ取られなきゃいけないの」
30代 「与党も野党もしっかり対話して、解決に向けてどうすべきなのか、ちゃんと議論してもらえる国会になったらいい」
立憲と与党の3党は今週中の衆議院通過を目指し、26日も詰めの協議を予定しています。
(「グッド!モーニング」2025年5月26日放送分より)