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“JAからの電話”農水族議員に…備蓄米放出で問い合わせ相次ぐ

経済

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 これまでの約半分の値段で売り渡すことが発表された「備蓄米」。自民党にはJAから戸惑いの声が相次いでいるようです。

■備蓄米5kg 2160円程度

小泉進次郎農林水産大臣(44) 「5日前に大臣に就任させていただきました。コメの問題に注力して取り組む」

 小泉進次郎農水大臣。週が明け、いよいよ本格的に仕掛けてきましたが…。

自民党“農水族議員”(取材に基づく) 「(支持者が)自民党から離れていきそうだ」

 まずは26日の発表をまとめます。

 これまで備蓄米については「競争入札」が行われ、最も高い価格を提示した集荷業者に売り渡されていましたが…。

 今後は「随意契約」に変更し、国が備蓄米の売り渡し価格を決めたうえで、年間1万トン以上の取扱数量がある大手小売業者を対象に30万トンを売り渡すということです。

 内訳は3年前に収穫された2022年産、いわゆる“古古米”が20万トン。4年前の2021年産が10万トンで買戻しは求めません。

小泉進次郎農水大臣 「30万トンというのは5キロの袋に換算すると約6000万袋ということ、十分な量を放出していく」

 公表された随意契約の方法は主に3つです。

 「国が提示した販売価格で販売」「8月までに消費者に提供される分を申し込み」「毎日、先着順で受付・契約・販売」します。

立憲民主党 古賀之士参議院議員(66) 「随意契約の場合、すべての希望する方々を受け入れるのか、それとも抽選などを行うのか」

小泉進次郎農水大臣 「抽選ではなく手を挙げる人。今回は条件として1万トン以上を扱うことができる大手小売りの方々に手を挙げていただきたい」

 農水省は早速、随意契約を検討する大手小売業者に対し、オンライン説明会を行っています。

■コメの価格 最高値更新

 そして気になるのは、なんといってもその価格です。

 26日午後に発表された全国のスーパーのコメの平均価格は5キロあたり4285円と前の週と比べて17円値上がりし、過去最高を更新しました。

 小泉大臣は備蓄米を5キロ2000円台にし、まずは“コメ離れを防ぐ”としていますが…。

小泉進次郎農水大臣 「(備蓄米の)売り渡しの価格は60キロで加重平均(税別)1万700円」

 5キロに換算すると、小売り価格は2160円程度と試算しています。

 自民党内では…。

自民党 小野寺五典政調会長 「2000円台の備蓄米の放出を決めていただいたことは大変、評価できることだと思っております」

■「困った」党内から戸惑いの声

 一方で“こんな声”も聞こえてきました。

自民党 農水族議員 「困った、困った。JAから『どうなっているんだ』という電話がすごい。自民党から離れていきそうだ」

 これまで3回の競争入札が行われてきた備蓄米ですが、その全体の95%を落札してきたのがJA全農(全国農業協同組合連合会)です。

 次回は随意契約により、60キロあたり1万1000円ほどで売り渡されますが、例えば3回目の入札では競争の結果、約2万2000円で落札されました。

 次に放出されるものより新しい2023年産とはいえ、倍近くの差があります。

 JAや、いわゆる「農水族議員」に不満がたまっているのでしょうか。

自民党関係者 「小泉さんが自民党の旧態依然とした族議員とJAに立ち向かうヒーローになれるかどうか。小泉元総理が郵政に仕掛けたことと同じことができるかどうかだ」

自民党 重鎮議員 「消費者は小泉さんが抑えて、JAは森山幹事長が抑えるということだ。JAが抑えられていなかったら『何を勝手なことやっているんだ』で終わる」

石破総理大臣 「本日、随契(随意契約)による30万トンの売り渡しが実施されると。そういう旨が公表されて非常にスピーディーな対応だと思う。これにより消費者の方々の不安が払拭されることを期待している」

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