4日朝、岩手県の住宅でクマに襲われたとみられる女性が死亡しました。周辺では住宅などにクマが侵入する被害が相次いでいます。
■81歳の女性死亡 クマが住宅侵入
4日午前7時半すぎ、息子が発見したのは自宅で倒れている81歳の母親の姿でした。
現場は周囲に水田が広がる岩手県北上市和賀町山口。すぐ北には川も流れています。
母親は血を流し、居間の中央付近で倒れていました。
警察によりますと、その頭部や全身には動物の爪による傷が数多くあり、その場で死亡が確認されました。
警察はクマが襲ったとみています。
和賀猟友会 鶴山博会長 「（Q.わな掛けたんですか？）来るかどうか分からないけど、とりあえずわなはここに設置しようということで」 「（Q.これわなですか？）これ、わな。けさ逃げたので、戻ってくるかどうか分からないけど何もしないよりはいいだろうと。悪さをしたクマならおっかないところはある」
■周辺で侵入被害 相次ぐ
北上市ではクマの出没が相次いでいます。
自治会長 小原幹男さん 「クマは何回も出ている、実際に見ている。人が亡くなったとなると、ちょっとね。クマ騒動で避難所開設は私の記憶では初めて」
先月27日の映像。歩道を歩いていたクマが道を渡り、そのまま入っていったのが高校の敷地内です。
自転車置き場にやって来たクマ。途中で立ち止まり、しきりに周囲の様子をうかがい、匂いを嗅いだ後、再び歩き出しました。
グラウンドのすぐ横を走っていく姿も映像には収められていました。
午前9時すぎです。体育など外で行われていた授業はすべて中止になり、この時は幸い、けが人はいませんでした。
また、先月28日には成獣のクマ1頭が窓ガラスを破壊して住宅に侵入。一時、中に居座り、漬物やコメ袋が荒らされました。
住民 「コメがあるのを覚えれば、また来るかもな」
クマはその後、住宅を立ち去りましたが、取材中に…。
住民 「また来た」 「（Q.どこに出たんですか？）いや、今…」
先月27日にクマが高校に侵入したのは北上市新穀町。28日に住宅に侵入したのは和賀町岩沢。
また、北上市によりますと、女性が亡くなった和賀町山口でも先月30日から連日、クマが小屋や倉庫、住宅に侵入しています。
専門家は、今の時期はクマの行動範囲が広がる時期だと警告します。
石川県立大学 大井徹特任教授 「今の時期、6月から8月上旬まではクマの交尾期。クマの雄は交尾相手の雌を求めて活発に広く動き回ります。同時に満1歳から2歳の若いクマが親離れをして、新たな生活場所を求めて活発に移動する」
また、子持ちの雌グマが雄グマから子どもを守るために人里に逃げてくることもあるといいます。
石川県立大学 大井徹特任教授 「（母グマは）子どもを守るために攻撃的になります。事故が発生しやすくなっている可能性があるので注意が必要」
