福岡県、山口県、大分県で線状降水帯が相次いで発生しています。夏休み3連休の中日、全国的に大雨に見舞われ、このあとも、列島の広い範囲で激しい雨になる見込みです。東海道新幹線は、あす11日始発から運休になる可能性があります。
■「緊急安全確保」の島避難の住民は
福岡県新宮町は相島を対象に、警戒レベルで最も高い、レベル5の「緊急安全確保」を発令しました。命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保してください。 大雨で浸水した島の小学校の写真です。30cmほど浸水したといいます。 Q.雨は長い時間強く? (相島の住人)「長かったですね、1~2時間近くひどかったですね。ずっと雷と、豪雨。(雷の)音がもうすぐそばで落ちたような感じの音だった」 Q.それが何度も? 「ずっと続いていた、本当に気持ち悪かった。台風の時の雨よりも、今度の雨の方がすごい」 19世帯30人が避難しているといいます。
■山陽新幹線が運休混乱の博多駅
(金子友広ディレクター)「福岡県中洲です。通常ですとこちらに多くの屋台が出店しているはずなのですが、大雨の影響でしょうか、1件も開店しているお店はありません。」 (アナウンス)「大幅な運休、及び遅れが発生しています。ご利用のお客様には大変ご迷惑をおかけしております」 (成井龍之祐記者)「博多駅新幹線の改札前です。現在大雨の影響で博多から広島間で運転が見合わされています。連休中ということもあって多くの人に影響が出ています。」 3連休の中日を直撃した大雨。山陽新幹線が午後1時半ごろから、広島―博多間で運転を見合わせていましたが、午後4時すぎ、終日の運休が発表されました。 (利用客)「これ動かないんですか?いま来たのでよくわかっていないんですけど」 Q.いまのところ動かない 「あーどうしよう」 「もう1泊するしかない、泊まれるかわからないですけど」
10日、相次いで線状降水帯が発生した福岡県。 (金子友広ディレクター)「福岡市中洲にある中川です。大雨の影響でしょうか、川が増水して船着き場が水没しています」 Q.何か予定決めていたんですか? (大阪から来た観光客)「夜は、本当は屋台に行きたかったんですけど、この雨だとちょっと無理かなって感じです」 (金子友広ディレクター)「アイドルのコンサートが行われるこちらの会場には、大雨の中、多くのファンが駆けつけています」 「乃木坂46」のファンで、けさ千葉県から駆けつけたという男性は… Q.雨具はどれですか? (千葉から来たファン)「これです、折りたたみ、荷物になるんで」 Q.この雨を折りたたみでやり過ごそうと? 「こんなに降るとは思わなかったんですけど、意外に降っててびっくりしました」 「宗像市です。雨でとても視界が悪くなっています」 福岡県の宗像市付近では午前11時50分までの1時間に約110mmの猛烈な雨が降ったと見られます。
9日の夜から10日にかけて、福岡県では断続的に激しい雨が同じ場所で降り続き、相次いで線状降水帯が発生しました。また、山口県や大分県でも線状降水帯が発生し、非常に危険な大雨となっています。
■観測1位更新 道路脇から滝のような水
(紀真耶アナウンサー)「雨、どんどん強くなってきています。バチバチ音を立てながら窓ガラスに打ち付けています。また道路も水たまりができていますね。激しい雨が降ってきて、水が溜まり始めています。」 関門海峡を臨む下関市の情報カメラ。午前11時、大雨であっという間に視界ゼロに… (紀真耶アナウンサー)「下関市内の道路です。道路の横の山の斜面から水が吹き出してきています。滝のように水が流れ出てきています。その水の下には木の枝などがたまっています。かなり太い枝も落ちてきていますね。」 下関の24時間雨量は、350mmを超え、観測史上1位を更新。道路は冠水。車はまるで川のようになった道を走ります。土砂崩れも起きました。 (田中亨記者)「あちらの山の茶色くなっている部分が土砂崩れがあった現場です。かなり高いところから崩れ落ちているのが分かります。木や土の撤去作業が行われています。」 さらに… (紀真耶アナウンサー)「中国自動車道に通行止めの情報が書いてあります。雨のため中国自動車道、通行止めだということです。」 雨で通行止めとなった中国自動車道。知らずにやってきた車が次々とUターンしていきます。 (紀真耶アナウンサー)「午後4時半すぎの下関市内の住宅街です。排水溝から水が吹き上げてきています。その水が下にも流れていっていますね。ものすごい勢いで水が吹き上げてきています。」
■干上がった川も大雨で元の姿に
大雨は島根県でも…1週間前に干上がっていた「斐伊川」は… (小川麻子ディレクター)「島根県出雲市の斐伊川です。1週間前は一面干上がってしまっていたんですが、きょうは水で川底は見えません。」
■東海道新幹線 月曜始発から運休可能性
雨の範囲は観光地にも広がっています。 (山本将司ディレクター)「午前9時半、熱海駅前です。先ほどから雨脚が強まってきました。皆さん、足早にアーケードの方に向かって行きます。」 (埼玉からの観光客)「雨で(子どもも)濡れました。海辺の遊べるような所があるってことで、子どもと楽しめるかと思って来たんですけど、ちょっと難しそうで」 大雨の影響で、東海道新幹線も一時、「熱海―新富士」間で運転を見合わせるなど混乱。明日11日、始発から、運休の可能性も出ています。 (山本将司ディレクター)「午後1時、箱根湯本駅前です。強い風と雨が打ち付けています。川の方を見ても茶色く濁ってしまっていて濁流になっています。こちらの橋の方、普段は観光客で賑わっているんですが、今日は客の姿が少ないです」 「傘が飛ばされそうですね。かなり強い風が吹きつけています。あの奥の方も、傘がもう壊れていますね」 (東京からの観光客)「ぼろぼろで、すごいで曲がって大変なの。すごい風で。これも直したの。やっとこれになったの」
■「全部泥に覆われ」温泉施設も浸水被害
大雨から3日。鹿児島県霧島市や姶良市では、様々な場所で被害の爪痕が残されていました。 おととい8日、姶良市で土砂崩れにより住宅が崩壊。30代の女性が行方不明となっていた現場で10日、1人が心肺停止の状態で発見されました。家族が女性本人であると確認したといいます。
市街地を離れ山間部へ向かうと… 「重機による土砂の撤去作業が行われていますが、人の身長を超えるくらいの土砂が積みあがっています」 鹿児島県の中央部を流れる天降川のほとりにある妙見温泉。大雨による土砂崩れで、温泉施設に大きな被害を受けました。普段は穏やかな流れの川も、土砂崩れによる川の増水で浴室が浸水。午前4時から朝7時頃までの約3時間、水に浸かった状態だったといいます。浴室を見せてもらうと… 「泥だらけですね、全部泥に覆われています。浴槽の中にも木の枝や泥が入り込んでしまっていますね。魚も泳いでいますね。」 お盆休みの書き入れ時を前に急ピッチで復旧作業が行われています。 Q.どこまで水が来た? (湯治の宿 妙見館 橘翔士代表)「だいたい肩の高さですね。ここにラインがあるんですけど、お盆も予約のお客さんがいるので何とか間に合わせようと…ただ前を向いて行かないとしょうがないですね。」 当時、宿泊客はおらず人的被害は無かったといいます。
■「冷蔵庫も扇風機もダメ」停電深刻
夕暮れ時に灯りが消えている家がありました。訪ねてみると… 「失礼します。あ、これで灯りをつけているんですね。」 (宮田操さん(85))「ろうそくを使ったりですね…」 Q.電気も通ってない? 「はい…全然ダメです。」 霧島市国分川原地区の一部では、8日から停電が続いているといいます。宮田さんは夫婦2人暮らし、電気の無い厳しい生活を強いられています。 (宮田操さん)「真っ暗闇…もう冷凍食品は全部捨てちゃいました…」 ガスと山から引かれている水は使用できるといいます。しかし、暑い夏をしのぐためのクーラーは動きません。 Q.扇風機も使えない? (宮田操さん)「使えないですね。全て電気で動くようになっていますから。冷蔵庫もダメ、風呂もダメ…」 宮田さんはお盆休みに楽しみにしていた予定があったそうです。 (宮田操さん)「ここに来る約束を、息子たち墓参りに来たいといったから、こんな状態だから来なくていいと。」 Q.でも会いたかった? 「まあ、それは口では言わないけど…」 九州電力によると、霧島市内の停電は、午後5時45分すぎに全て復旧したといいます。
8月10日『有働Times』より