岡山・香川の話題のものやスポットを紹介する「いまココ!ナビ」。今回は夏休みにぴったり、大人も子どもも楽しめるアートの話題です。瀬戸内市の美術館で猫をモチーフにした彫刻の作品展が開かれていて、愛くるしい姿が話題を呼んでいます。
猫たちが一列に並んで「はーい」!
(記者リポート)
「こちらの作品、こうやってハイタッチするみたいに楽しむこともできます。みんな表情や柄が違ってかわいいですね~」
瀬戸内市立美術館の開館15周年を記念して開かれている特別展「猫、牛窓ニテ~星ヲモッテシュウゴウ!~」です。会場には青森県出身の木彫作家・花房さくらさんの作品約30点が展示されています。
作品は写真撮影やSNSへのアップがOK! 訪れた人もまるで猫たちの一員になったようです。
花房さんの表現している猫は木目が残るように彫ったり、バサバサした筆で色を付けたりしていて毛並みがとってもリアル。しっぽも1匹ずつ違ってかわいい~!
出迎えてくれるのは、「夏休み猫館長」の「星野さん」! 顔の星柄がチャームポイントです。
星野さんは牛窓地区を中心に約30カ所で写真を撮り、地域の魅力を発信しているんです。この「星野さん」のように、花房さんが生み出す猫にはどこか人間味が感じられます。
お笑い好きの花房さんが漫才コンビをイメージして作った作品は、2又に分かれた1本の木で作られていてコンビの姿がほほえましい作品です。
こちらでは猫が牛窓の浜辺に流れ着いた星を拾っています。しゃがんで1つずつ、丁寧に集めているみたい。
そして、すぐそばにはその星を空高く掲げる猫たちが。どうして――?
(瀬戸内市立美術館/関洋平 学芸員)
「猫は夜が大好きです。なぜかというと大好きな飼い主が帰ってくる。浜辺で拾ってきた星を昼間の空に掲げることによって夜を呼ぼうとしているんです。夜になったら飼い主、大事な人が早く帰ってきてねっていうのを猫たちがポーズを取って表現している作品です」
昼間の空に星を掲げる猫たち。大好きな飼い主を思う温かい気持ちが伝わってくるようです。
(瀬戸内市立美術館/関洋平 学芸員)
「牛窓という土地は『ムーンロード』という有名な観光地がありまして、空や星にちなんだ場所があります。そういうところからテーマを得て『星ヲ持ッテシュウゴウ』というタイトルを付けました。若い方からお年寄りまで、入った瞬間、みんなが幸せになれるようなそんな展示会になればな」
ちなみに、美術館では星に願いを書いてつるすワークショップも。つるしていると自然と、星を掲げる猫たちと同じポーズに。
猫たちと温かい時間が過ごせるこの特別展「花房さくら木彫展」は8月31日まで開かれています。