台風12号が横断した鹿児島では、8月ひと月分を上回る大雨が降りました。車が浸水した女性が低体温症になるなど被害も相次いでいます。
茶色く濁った川。橋の欄干には流木が引っ掛かっています。
草木が絡まった車には「故障中」と書かれた紙が貼られ、辺り一帯では日常を取り戻すために泥のかき出し作業に追われていました。
住民 「あっという間に水が来て、あれよあれよという間に…」 「(きのうの)ここの通路がこんな感じで、道路がこんな感じ。初めての経験だったので怖いというのが。どうしようという頭の中が真っ白になるような感じ」
台風12号によって、鹿児島県内は記録的な大雨に。
鹿児島市や南さつま市などでは24時間雨量が300ミリを超えました。これは平年の8月ひと月分を上回る雨量です。
台風12号は22日午前9時ごろ、宮崎県沖で熱帯低気圧に変わりましたが、各地に激しい爪痕を残しています。
南さつま市を流れる加世田川は激しい雨が降り始めた21日午後から急激に増水。加世田川沿いを通る国道には…茶色く濁った水が押し寄せました。氾濫が発生したのです。
辺り一帯は水につかりました。加世田川の氾濫で60代の女性が運転する車が浸水し、低体温症で救急搬送されています。
近くの住民 「(きのうは)すごかったです。一瞬でした、早かった。加世田川が決壊したそうで一気に水が15分くらいですぐ上がってきた」
こちらの商店は建物の中まで水が迫ってきたといいます。
氾濫した川沿いの住民 「(Q.食料品が置いてあった場所では?)全部廃棄しました。ここぐらいまで(水が)来ていたので」
店内で水につかったものはすべて破棄するそうです。
近くには塀がなぎ倒され、玄関の目の前の地面がえぐれている住宅もありました。
断水地域の住民 「けさ起きて顔を洗おうと思ったら、もう(水が)出なかった。だから今から温泉にいこうと思って」
蛇口をひねっても水が出ません。台風による大雨で水道管が破損し、日置市の一部の地域では断水が続いています。
男性はポリタンクを持って車へ。日置市では市内2カ所に給水所を設けています。
断水地域の住民 「急に台風になったから」 「(Q.まさか断水するとは?)まぁ大丈夫だろうと思ってた。早く復旧してもらえるといいんだけどね」
台風は過ぎ去ったものの、これまでの雨で地盤が緩んでいる地域があり、引き続き土砂災害などに警戒が必要です。