鹿児島県霧島市は大雨特別警報が発令され、気象庁と国土交通省が緊急会見を開きました。最大限の警戒を呼び掛けています。
■川が道路をえぐる 流される橋
8日午前2時頃の鹿児島県霧島市の様子は、降り続いた雨で道路が冠水し、川のようになっています。6時ごろの様子を見ると、雨は弱まっていますが道路に茶色く濁った水があふれ出し、車が車体の半分ほどまで水に浸かっているのが分かります。
住宅の庭も冠水し、まるで池のような状態に。地面からはブクブクと音を立て泡が出ています。
鹿児島県では、8日未明と朝方に線状降水帯が発生。霧島市では12時間雨量が400ミリを超え、観測史上最大を記録しています。
気象庁は午前5時、霧島市に大雨特別警報を発表。それを受け霧島市は市内全域に「緊急安全確保」を出し、市民に少しでも安全な場所で命が助かる可能性の高い行動を取るよう呼び掛けました。鹿児島市の一部にも、河川の氾濫が発生している恐れがあるため「緊急安全確保」が出されています。
気象庁担当者 「これまでに経験したことのないような大雨となっています土砂災害警戒区域などにおいては、何らかの災害が既に発生している可能性が極めて高く、警戒レベルは5に相当する状況です。命の危険が迫っています。直ちに身の安全を確保して下さい」
停滞する活発な前線の影響で、九州各地では7日から激しい雷雨となりました。
8日6時に撮影された映像を見ると、霧島市を流れる川が住宅の目の前の道路をえぐってしまっています。道路が崩れた影響か車が川の中に。さらに、川にかかっていた橋も流されてしまっています。
鹿児島では7日も激しい雨が降りました。用水路と道路の境はもはやありません。
宮崎市でも雷鳴がとどろきました。
急速に分厚い雲に覆われ激しい雨が降りだした熊本市。熊本県内では1時間に80ミリを超える今年一番の猛烈な雨が降った所もありました。
■一月分を上回る雨、半日で降る
7日に線状降水帯が発生した石川県。7日午前2時すぎの金沢市は、体がびしょ濡れになるほどの雨が降りました。夜が明けても走れる道は至る所で水が噴き出していました。
用水路に近い住宅地。車は水をかき分けながら進みます。用水路は水位が高くなっていて、道路まで水があふれています。
ものの数時間で、辺りは冠水したそうです。
住民 「これだけ降るとやっぱりちょっとやばいなと思ったら、案の定こうなる。25年前は床下浸水した。これ以上降らんといて」
金沢市では12時間の雨量が331.5ミリを記録。これは8月一月分をはるかに上回る雨がたった半日で降った計算です。
住民 「集中的に降ってしまったので、裏山の土砂が全部道路沿いに流れ込んできた」
金沢市内の医療施設も、雨が降るなか、泥のかき出しや物資の運搬に追われていました。
分かっているだけで、道路の冠水が29カ所、土砂崩れは21カ所発生。床上浸水などの正確な被害はまだ不明です。
■厳重警戒「これまでに経験したことのないような大雨」
同じく7日未明から大雨が降り続いた富山市。雨のピークが過ぎると家の前はこの有様です。
心配なのは住宅だけではありません。市内のコンビニに押し寄せた水は、店を完全に飲み込んでいました。中からは警察に誘導されて歩いて出てくる人も。
高岡市では冠水したアンダーパスに車が取り残され、80代の女性が意識不明の状態で搬送され、その後意識を取り戻したということです。
8日未明、線状降水帯が発生した鹿児島県。気象庁は朝、その鹿児島県霧島市に大雨特別警報を発令しました。
気象庁の会見 「これまでに経験したことのないような大雨となっています」
すでに何らかの災害が発生している可能性が高く、命を守るため最大級の警戒が必要です。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年8月8日放送分より)