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続く新米価格高騰 トラックがコメ農家の“救世主”に?

経済

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 新米の価格高騰の救世主となるのでしょうか。「コメの流通問題」を解消する、ある秘策を取材しました。

 のどかな田園風景が広がる宮城県栗原市。1日朝、ここに1台のトラックが…。

 大手運送会社「佐川急便」です。

 荷物を届けにきたわけではありません。

 ドライバーが5人掛かりで次々と運んでいるのは収穫したばかりの新米。荷台にどんどん積み上げていきます。

 手分けして周辺の農家を1軒ずつ回り、コメを集めていきます。

 集荷のために新たに用意した荷台が平らなトラック。

佐川急便 若柳営業所 佐藤正和所長 「箱車(荷台が箱形)では入れない場所に入り込める」

 天井の低い場所でも、このトラックなら楽々。積み込んだコメが向かう先は「JA」

 なぜ、運送会社がコメを集めているのでしょうか。

 実はこのトラック、日本のコメ作りが抱える問題の救世主になるかもしれません。

 訪ねたのは埼玉県のスーパー。

スーパーマルサン久喜店 小澤清さん 「こちらが今年の新米、『ふさおとめ』と『あきたこまち』」

 千葉県産のふさおとめは5キロで4211円。茨城県産あきたこまちは4319円。新米の銘柄米は高止まりが続いています。

主婦 「地元だと(新米は)約5000円。1カ月で10キロくらい使うから、1万円取られちゃうと、ちょっと(家計が)圧迫される」

 新米が高止まる一方で、生産現場は別の問題を抱えていました。

コメ農家 「(年齢は)69です。私は若い方です。(周りは)もっと高齢です。80とか85とか、まだやっている。だんだん高齢になってくると、(コメを)運搬するのは容易ではない」

 集荷作業の負担などを理由に農業を続けていくことが難しいと考える農家もいるといいます。

 米の流通に詳しい専門家も…。

流通経済研究所 折笠俊輔主席研究員 「生産者の高齢化が生産量の減量を招いているのも事実」

 離農者が増えることでコメの生産量が減る懸念もあるなか、この問題を解決しようとしているのが農家を回っていた物流会社です。

 これまでは農家がコメを自分で集荷業者に運んでいました。それが運送会社がまとめて農家から集めて集荷業者に届けることで農家の負担が軽くなり、効率よく運べるようになったのです。

JA新みやぎ栗駒営農センター 渡邉茂さん 「きょう取りに行きますよっていうやつが、必ずきょう取りに行くと。あまり天候には左右されないので助かっています」

 さらに、こんなメリットも…。

流通経済研究所 折笠俊輔主席研究員 「(民間業者との)集荷競争が激化しているので、『佐川さんに取りに行かせるからうちに売ってねみたいな』追い風。使い方によっては集荷競走で農協が戦う一つの武器になるかもしれない」

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