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【高市新総裁に公明が連立懸念】靖国参拝と不記載問題“協議に暗雲”迎える難路は?

政治

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自民党新総裁の選出を受け、政権運営に向けた具体的な日程が動き出す。党役員人事を固めたうえで、今月15日から17日の間で臨時国会が召集され、総理大臣指名選挙が行われる見通し。新総裁は、第104代内閣総理大臣に指名され、直ちに新内閣を発足させる。それまでの間、新総裁は公明党をはじめとする与党内協議に加え、野党とも政策協議を重ねるとみられる。連立の枠組み、外交・安全保障、経済政策など、直面する課題は多岐にわたる。

自民党新総裁に選出された高市早苗総裁を待ち受ける最大の試練として、公明党との連立関係の行方だ。9月7日、公明党の斉藤鉄夫代表は、自民党との連立の在り方について記者団に対して、「公明党として連立政権を組むのであれば、保守・中道路線、私たちの理念に合致する方でなければ当然、連立を組むことはできない」と牽制した。高市氏の総裁就任を念頭に、明確に懸念した発言と受け止められている。これに対し、高市氏は19日の出馬会見で、「今や様々な保守政党が登場している。私はむしろ、穏健保守あるいは中道保守に位置づけられるのではないかと考えている」と述べていた。

就任直後から連立維持に向けた姿勢を示していた高市氏は総裁選終了後、即座に公明党・斉藤代表との会談に臨んだ。斉藤代表は高市総裁に対し、公明党として見過ごせない政治資金収支報告書などに関する「不記載問題」へのけじめ、歴史認識と靖国神社参拝の是非、また、外国人との共生に関する政策姿勢の「三つの懸念」を伝えた。斉藤代表はさらに、「わが党支持者からも大きな不安と懸念が寄せられている。これを解消しない限り、連立政権の維持は困難だ」と連立解消の可能性も示唆した。

高市氏は出馬会見で、「自公連立は基本です。その上で、基本政策が合致する野党とであれば、連立政権を組むことも視野に入れ、進めていきたい」と述べていた。この発言は、公明党との協力を基盤としつつも、場合によっては他党との新たな連立を模索する姿勢を示したものと受け止められている。自民党の新たな連立相手として最も注目されていたのが日本維新の会。吉村洋文代表は最近、自民との連携に前向きな姿勢を明確にしていた。9月26日には「新総裁から政策協議、連立打診があるのであれば、協議するのは当然だ」と述べ、29日には「基本的な外交・安全保障、憲法の価値観は、自民党と維新はもともと近い」と語っていた。ただし、維新が連立に参加する条件として掲げているのは、社会保険料を引き下げる制度改革、そして首都機能の一部を移す「副首都構想」の合意。吉村代表の積極姿勢の背景には、総裁選で惜敗した小泉進次郎氏との良好な関係があると見られている。

自民党新総裁に就任した高市早苗氏に、早くも、外交力が試される局面が訪れようとしている。日米両政府は、トランプ米大統領が10月27から29日の3日間の日程で来日する方向で調整している。日米間の最重要課題の一つである防衛費問題が議題に上るのか。6月20日付の英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、米国が日本に対し、防衛費をGDP比3.5%まで引き上げるよう求めたことにより、日本政府は7月1日に予定されていた外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)への参加を見送ったと報じていた。防衛費をめぐる圧力は、日米同盟の行方を左右する現実的な課題となっている。こうした中で、高市氏は9月19日の出馬会見で、防衛費増額について、「最新鋭の兵器も備えなければならない。それからスタンドオフ能力も持たなければならない。もしかしたら3.5%よりも高いかもしれないし、低いかもしれません。しっかりと積み上げた上で対応していく」と述べていた。

★ゲスト:久江雅彦(共同通信特別編集委員)、佐藤千矢子(毎日新聞専門編集委員) ★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)

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