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メリットは?キャッシュレス全盛のなか...あえて現金回帰の店

経済

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 今、キャッシュレスでの決済が広がる一方で、あえて「現金のみ」に回帰する店が増えています。なぜ現金にこだわるのか、そのメリットを取材しました。

■なぜ?現金のみ店舗が増加

 皆さんは現金かキャッシュレス決済、どちらを使うことが多いでしょうか。

80代の人 「現金です。ずっと若い時からそんな感じだったから、カードって大きなものとかそういうところでしか使わない」

20代の人 「キャッシュレス90%、現金10%です」 「私も可能なら全部キャッシュレスという感じ」 60代 「キャッシュレス派です。ポイントがたまるじゃないですか、現金だと何もたまらない、やっぱりポイ活は大切」

 ある調査では約7割の人がキャッシュレス決済を利用するという回答も…。

 世は“キャッシュレス全盛”と思いきや、あえて“現金回帰”する店が増えてきていることが分かってきました。

■スーパー 価格で客に還元

 仙台市にある地元密着型のスーパー。レジをのぞいてみると、皆さんの支払いはすべて“現金のみ”です。

買い物客 「(Q.このお店って現金だけ?)そうです。ちょっと前にそうなった」

 実はこの店、以前はキャッシュレス決済に対応していましたが、この4月から支払いを“現金のみ”に変更したそうです。

 全国のスーパーマーケットのキャッシュレス決済の導入率は9割。ただその一方で、“現金のみ”の割合はおととしから今年にかけて微増しています。その理由はどこにあるのでしょうか。

生鮮館むらぬし 村主芳治店長 「物価高対策として店でできることはないかと考えると、お店の経費をなるべく下げて、その分お客さんに還元するという形を取った方がいいなということで、まずキャッシュレス決済をやめてみました」

 店舗側が運営会社に支払うキャッシュレス決済の手数料は、平均して売り上げの3%前後と言われています。この店では年間で2000万円ほど手数料が掛かっていました。

生鮮館むらぬし 村主芳治店長 「売り上げは若干、下がると思っていたが少し下がったくらいで、うまいこと安売りの方もできているので、いいのかな」

 この現金回帰、店の経営だけでなく、客にメリットもあります。ニンジンが1袋約200円、カブも1束約100円、そしてなんとダイコンは1本100円以下です。

 手作りで作る総菜もボリュームたっぷりでリーズナブルな価格に。ミカンは1箱で約1000円という安さ。

 キャッシュレス決済の手数料が浮いた分を商品価格に還元することで安く売ることが可能になり、セールの回数も増えたといいます。

生鮮館むらぬし 村主芳治店長 「最近、納豆とかも値上げになっているが、キャッシュレス決済をやめたことでなるべく毎日、皆食べるものは据え置いた方がいいねってことで、納豆はもうそのままの値段で売っていますね」

 物価高の今、低価格で商品を提供できることは客からの強い支持にもつながっています。

客(50代) 「他のものは他のスーパーとかは価格上がっているけども、ここはそのままという感じ」 客(30代) 「支払い方がそんなに変わらないで商品が安くなるというのはすごい良いことだったので全然、現金に賛成派でした」

■人気無料サービスが復活!

 現金回帰の動きはスーパーだけでなく飲食店にも広がっています。

 群馬県高崎市などに6店舗を展開するステーキ・ハンバーグの専門店も9月から電子マネーの支払いをやめ、現金とクレジットカードのみに変更したそうです。

G.G.C. 板垣志緒社長 「以前はありとあらゆるQRコードの決済等が使用できました。やはり支払手数料が(終了した)大きな理由です」

 1カ月あたり15万円ほど利益の上乗せにつながっているといいます。

G.G.C. 板垣志緒社長 「支払い方法を間違えてしまったり、決済がうまくできていなかったり、(電子マネー決済を)やめたことでスタッフの負担減にもつながり、お客様にサービスとして還元できる時間を作ることにつながった」

 看板メニューは地元ブランド牛の「上州牛」などを使ったステーキやハンバーグ。それに欠かせない人気のサービスが復活しました。

客 「今、どこも物価高で食費をなるべく抑えたいので、きょう大盛りにした。とてもうれしいです。大盛りです」

 店の国産米はコメ価格の高騰のあおりを受けて一時、大盛りとおかわりが有料になりましたが、9月から無料で提供しています。

客 「私は現金派です。自分が使ったお金が明確に分かるから」

 キャッシュレスが広がるなかで現金回帰の動きは今後、どのような展開を見せるのでしょうか。

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