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「クールジャパン機構」大赤字の責任どこに 失敗続き官製ファンドの甘さ露呈

経済

 「クールジャパン機構」の累積赤字が540億円に上ることが分かりました。赤沢亮正経産大臣は「経済産業省として重く受け止める」と話していて、今後、大赤字の要因や責任の所在について議論していく方針です。

■政府は統廃合に向け検討

安倍晋三総理(当時) 「クールジャパンを世界に誇るビジネスにしていきましょう」

 2013年に安倍元総理の肝煎り(きもいり)で設立した“クールジャパン機構”。日本の魅力である食文化やアニメなどを海外に発信する企業を支援し、日本の経済成長の原動力にすることが目的です。政府はこれまで1400億円を出資してきました。

赤沢経産大臣 「2025年度の累積損益がマイナス540億円となり、経済産業省として重く受け止めております」

 今年3月期の決算で、“クールジャパン機構”の累積赤字が540億円になることが分かりました。赤字を426億円以内にするという目標を大幅に下回り、政府は今後、統廃合に向けた検討に入ります。

 赤字が膨れ上がった背景には巨額投資による数々の失敗があります。

■「日本ストア」営業赤字5億円

 2016年、マレーシアの首都、クアラルンプールの商業施設にオープンした「日本ストア」。クールジャパン機構はおよそ10億円を投資しました。

 当時、販売されていた山梨県産の「ブドウ」の値段は、1房で1万円。エジプト産のブドウであれば300円で買えます。同じく山梨県産のモモも5個で1万円です。

 当時の“日本ストア”は営業時間中にもかかわらず、客の姿は見当たりません。

 現地でこの写真を撮影したジャーナリストは…。

作家・評論家 古谷経衡氏 「日本と同じできれいな感じだが、とにかくすごく閑散としています。閑古鳥が鳴いている。値段の付け方が異常だなと感じます」

 “日本ストア”の営業赤字が5億円になり、クールジャパン機構は、開店から2年で全株式を売却しました。

■過去最大投資に失敗

 大赤字の決定打とみられるのがこちら。人口的にクモの糸を生成するバイオ素材を巡る事業です。

 革新的だとして、2018年以降に過去最大となる140億円を投資しましたが、量産化に失敗。300億円の債務超過に陥り、今年3月、ソフトバンクの孫正義会長の長女・川名麻耶氏が代表を務める会社に事業を譲渡しました。投資した140億円の大半は戻ってこないものとみられます。

 クールジャパン機構の経営について専門家は。

神戸国際大経済学部 中村智彦教授 「今回のクールジャパンの場合は大半が国のお金で税金。結果的に株主のように何か責任が追及されることもない。厳しい監視の目にさらされていないので、官製ファンドでやることの大きな問題が出てしまったのでは」

 経済産業省は今後、検討会を立ち上げて、赤字経営の要因について議論していく考えです。

赤沢経産大臣 「クールジャパン機構の経営管理に係る第一義的な責任は経営陣が負っております。そのうえで、経産省は機構を監督する者の責任があり、できる限り早期に検討会を立ち上げ、累積損失の要因や責任も含めて議論をいただきたいと考えております」

(2026年7月4日放送分より)

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