とてもかわいらしいぬいぐるみをご紹介します。2017年、香川県三豊市仁尾町に移住し、ものづくりに励む90歳の女性がいます。作ったクマのぬいぐるみは1000体以上!工房を訪ねました。
(記者) 「ご覧ください。こちらのぬいぐるみ、とてもかわいいですね。すべて手作りなんです。そして、こちら赤い灯台が見えます、というのは高松港の赤灯台ですね。これを作ったのは90歳のおばあちゃんなんです」
三豊市仁尾町に住むテディベア作家の井上久喜子さん、90歳。長男夫婦と2017年秋に京都から移住してきました。知らない土地でご近所さんをつないだのは「クマのぬいぐるみ」です。
(靴下を切るテディベア作家の井上久喜子さん) 「これが帽子なんです」
不要になった靴下をクマの洋服に再利用したぬいぐるみが、久喜子さんオリジナルの「ソックスベア」です。ドレスにパンツ、帽子にひさしをつけたりもして、靴下の生地で捨てる部分はほとんどありません。
移住してからお世話になったご近所さんに、手芸仲間が作ってくれたフェルトの小物を添えて、その場所に縁のあるものをプレゼントしています。
(テディベア作家/井上久喜子さん) 「みなさんからご好評で、ありがたく今まで作らせていただいてる。ここに並んでいるのみんなそうなんですけど」
ご近所の「萬合商店」では、お酢を手にしたかわいいクマがお出迎え。看板ベアとして活躍しています。
(テディベア作家/井上久喜子さん) 「本当に良くしてくださいます。私も、今まで住んだなかでも、こういうご近所のいい方と巡り合わせたことはないですね」
井上さんは、66歳の時に誘われたテディベア教室に通ったのがきっかけで、以来、毎日作り続けてきました。子どもがお宮参りに着た着物や、自分のスカート、使わなくなったネクタイなどを再利用し、これまでに1000体以上を製作。生まれ変わったベアは、どれも愛おしく涙が出ることもあるそうです。
(テディベア作家/井上久喜子さん) 「ベアっていうものになんていうかな、魅力があって。私には本当にかわいくできたね、これひとつずつ見てもみんな顔が違いますからね」
おしゃれでバイタリティーあふれる井上久喜子さん。90歳になっても努力を続ける素敵な女性でした。3月には高松市のインテリアショップでこれまでの作品を集めた展示販売会が開かれます。