5月1日の令和元年スタートに合わせて、元号にまつわる本が出版されます。その本のタイトルは「令和は瀬戸内から始まる」。香川県で生涯を閉じた崇徳天皇と「明治」という元号のゆかりなど「元号」にこだわった一冊です。
本の作者は、作家で学芸員の佐々木良さんです。高松市の事務所で、5月1日の出版に向けて最後の校正を行っています。
3月には佐々木さんと、香川県で生涯を閉じた唯一の天皇、崇徳天皇と「明治」という元号のゆかりについて訪ね歩きました。そして、明治天皇の勅使が崇徳天皇を祭る直島と坂出市の白峰に来て報告し、天皇の「み霊」を京都に帰してから元号が明治に変わったことなどを語ってもらいました。
その際、佐々木さんが予想した新しい元号の1つ「万保」が実際に最終候補の1つでした。
(作家/佐々木良さん) 「今の元号というのは、過去の候補に挙がったものから選ばれています。その中で、地名とか企業名とか俗用されていないか精査していったら残りわずか。その内のひとつ」
佐々木さんは、万葉集から引用された新しい「令和」という元号について…
(作家/佐々木良さん) 「大伴旅人、京にいて朝廷内のいざこざがあって大宰府に左遷され、3年いて。いよいよ京に帰れそうだというところで、その年に詠んだ歌。雪どけだったりとか、白梅とかランという白いイメージがある。白く美しい、凛とした元号なんだと思います」
佐々木さんは、このほかにも元号に関するさまざまな研究を進めています。
(作家/佐々木良さん) 「南北朝時代、天皇が2人いる時代で、元号が2つある時代。その元号のイメージが強くて面白いと思う。「平成」は全員が同じ元号を使っているが、南北朝時代は人によって違う元号を使っていた。5つか6つは4文字元号というのがあって、天平時代に天平感宝・天平神護とか、いろんな4文字元号が使われている」
元号にまつわる本、「令和は瀬戸内から始まる」を令和が始まる5月1日に出版する予定です。
(作家/佐々木良さん) 「なぜ元号が始まったか、元号にまつわるうんちくが詰まった本です。特に明治とか書いてます。令和も今、必死になって書いてます。元号に秘められた人間ヒストリーを詳しく書いています」