新成羽川ダムを管理する中国電力が、大雨が予想される時にダムの水を事前に放流することを決めました。
去年の西日本豪雨で被害を受けた岡山県倉敷市、総社市などがダムの管理者に対し要望していたものです。
(中国電力 電源事業本部/吉岡一郎 部長) 「治水と利水のバランスにも考慮しつつ慎重に検討を重ねてまいりました」
20日の意見交換会で、中国電力や国、岡山県などは、新成羽川ダムなど6つのダムで事前放流など洪水調節を行うと伝えました。
高梁市の新成羽川ダムは、水の落差を利用して発電するため普段から水位が高めです。今後は、降り始めからの雨量が110ミリを超えると予測された場合、ダムの有効貯水容量の半分ほどまで事前に水を放流します。
これにより、西日本豪雨と同等の豪雨で最大放流のピークを約90分遅らせることができ、河川の水位も総社市日羽で21センチ、倉敷市酒津で12センチ下がるとしています。
(総社市/片岡聡一 市長) 「この事前放流に応じてくださるという結論をもらいましたから、きょうは画期的な日だと思います」
(倉敷市/伊東香織 市長) 「住民の願いが通じたというふうに思いますし、この5年間は本当にこれが頼りなところが多いので、さらに精度を高めていただきたいというふうに思っています」
中国電力は新成羽川ダムの状況をインターネットで確認できるよう、国などと協議を進めています。
(中国電力 電源事業本部/吉岡一郎 部長) 「やると決めた以上はやはり安全に決められた通りしっかりできるように、この事前放流について責任を持ってやっていきたいというふうに考えております」