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〈新型コロナ〉感染への恐怖が生む“差別”…元厚生労働大臣が「背景を知ることの大切さ」呼び掛け 香川

 感染症と差別について考えます。今回、KSBは元厚生労働大臣で医師でもある坂口力さんに話を聞きました。岡山・香川でも新型コロナウイルスの感染が相次いで確認される中、坂口さんが私たちや政府に呼び掛けたこととは…。

(元厚生労働大臣/坂口力さん) 「普通の場合には、感染をして発病をしてからうつすんですけど、今回の場合には、感染をしてまだ本格的に症状が出ていないのに、人にうつすことがある、ここが非常に難しいところで」

 そう語るのは、第一次小泉内閣で厚生労働大臣を務めた坂口力さん(86)です。

 坂口さんが厚生労働大臣だった2001年、ハンセン病を巡る裁判で熊本地裁は誤った患者の隔離政策を続けてきた国の責任を全面的に認める判決を下しました。  坂口さんは「法律問題以前に人権問題としておわびすべきだ」と、控訴断念を政権中枢に進言した人物として知られています。

(元厚生労働大臣/坂口力さん) 「一度感染をしますと周辺の見る目というのは非常に変わってきますが、ハンセン病なんかはその最たるものなんですけど、コロナの場合でも、やはり感染をすると、その人だけではなくて、その周辺に対してもいろいろな見方が変わる」

 医師でもある坂口さんは、差別や偏見を生まないためには正しい知識を持つことが大切だと訴えます。

(元厚生労働大臣/坂口力さん) 「この病気は決して長く続くわけでもありませんし、この病気になったとしてもやがてこの人たちは治っていくんだ、治っていけば普通の生活に戻り、そして社会も普通に戻っていくんだと。『恐ろしい』ということが先行して、そして、こういうふうにすれば克服できるんだということについて、(国が)もう少し丁寧に説明する必要があるんではないかというふうに思ってます」

 4月7日、政府は7つの都府県に緊急事態宣言を出しました。坂口さんは、この時の説明も十分ではなかったと感じています。


(元厚生労働大臣/坂口力さん) 「『緊急事態宣言はこういう内容です』内容の説明はしてる。しかし、緊急事態宣言なるものを出す背景、これをやることによって、社会はどういうふうにうまく回転をしていくというふうに思ってるから、これは出すんだというところの説明も加えてしないと、将来この病気がどうなるかということを、しっかりと皆さんの頭の中に植え付けてもらうということが、差別偏見を生まないために最も大事なことかもしれません」

 学校の休校や営業の自粛など、岡山・香川でもさまざまな影響が出ている新型コロナウイルスの問題。  坂口さんは「温かい社会」を作ることを国も個人も意識してほしいと呼び掛けています。

(元厚生労働大臣/坂口力さん) 「みんなが置かれている立場というのは日々変わってきますが、そういうお互いに変わった立場の人たちが集まって、一つの社会を作っていくわけですから、そこはどんな立場になったとしても手を差し伸べていこうよと。非常に苦労している人たちに対してどうするかということを、どう考えていくかということだと思いますね」

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